ドイツの今年前半の実質GDPはプラス圏を維持してきた(Q1前期比+0.8%、Q2同+0.0%)のですが、総合PMIの7月と8月分がかなりマイナス領域に食い込んでいるので、Q3(7~9月)を前期比プラスにまで戻すのはほぼ不可能と思われます。
https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/00a0bc8b6c414014b8e27a1b34190a60
S&Pグローバルのプレスリリースでは以下のように解説されています。
- PMIのデータは、第3四半期半ばのドイツ経済の暗い状況/民間部門の企業活動の悪化の深刻化を示唆。製造業の継続的な弱さに、サービス部門の減速が加わった格好。高インフレと金利上昇が需要を圧迫。
- 経済減速のため、雇用の伸びも久々に鈍化。受注残の久々の減少とも相まって、今後の雇用創出には下振れリスク。
- 供給制約とコスト上昇圧力の両方の緩和がポジティブ材料ながら、エネルギー危機が切迫しており、今後の見通しは極めて不透明。
2日後に発表されるifo景況指数も、今回のPMI同様、市場予想程度に弱いもの(GDPマイナスを示唆するレベル)になりそうです。
昨日ドイツ連銀から発表されていた週次経済活動指数(WAI~リアルタイムGDP指標)も、足元マイナス圏で推移しており、PMIと概ね整合的です。
Weekly activity index for the German economy | Deutsche Bundesbank
ドイツ経済省のNOWCAST(7/7時点の予測値なのでやや古いですが)のQ3分(黄緑線)も先月時点で既にマイナスに振れていました。
その後発表されたユーロ圏総合PMIを見ると、ユーロ圏全体でもマイナス圏に突っ込む可能性が出てきました。