日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220823 ドイツ総合PMI、Q3GDPのマイナス転落確実な水準

ドイツの今年前半の実質GDPはプラス圏を維持してきた(Q1前期比+0.8%、Q2同+0.0%)のですが、総合PMIの7月と8月分がかなりマイナス領域に食い込んでいるので、Q3(7~9月)を前期比プラスにまで戻すのはほぼ不可能と思われます。

  

https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/00a0bc8b6c414014b8e27a1b34190a60

 

S&Pグローバルのプレスリリースでは以下のように解説されています。

  • PMIのデータは、第3四半期半ばのドイツ経済の暗い状況/民間部門の企業活動の悪化の深刻化を示唆。製造業の継続的な弱さに、サービス部門の減速が加わった格好。高インフレと金利上昇が需要を圧迫。
  • 経済減速のため、雇用の伸びも久々に鈍化。受注残の久々の減少とも相まって、今後の雇用創出には下振れリスク。
  • 供給制約とコスト上昇圧力の両方の緩和がポジティブ材料ながら、エネルギー危機が切迫しており、今後の見通しは極めて不透明。

 

2日後に発表されるifo景況指数も、今回のPMI同様、市場予想程度に弱いもの(GDPマイナスを示唆するレベル)になりそうです。

 

昨日ドイツ連銀から発表されていた週次経済活動指数(WAI~リアルタイムGDP指標)も、足元マイナス圏で推移しており、PMIと概ね整合的です。

Weekly activity index for the German economy | Deutsche Bundesbank

 

ドイツ経済省のNOWCAST(7/7時点の予測値なのでやや古いですが)のQ3分(黄緑線)も先月時点で既にマイナスに振れていました。

https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Infografiken/Schlaglichter/2022/08/16-konjunktur-bip-nowcast-download.pdf?__blob=publicationFile&v=6

 

その後発表されたユーロ圏総合PMIを見ると、ユーロ圏全体でもマイナス圏に突っ込む可能性が出てきました。