日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20221129 ドイツ経済省NOWCAST、Q4 GDPは前期比▲0.5%、Q1は▲0.6%を示唆

先ほど直近分NOWCASTがリリースされました。

11月14日時点のデータに基づくあくまで非公式の推計ですが、10月以降、ほとんど横ばいで推移しており、ビジセスセンチメント(ifoやPMIなど)ほど大きく乱高下してはいないようです。

ドイツ政府は来年通年で▲0.4%のマイルドなマイナス成長を予想していますが、それとほぼ整合的水準感です。

https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Infografiken/Schlaglichter/2022/12/12-konjunktur-BIP-nowcast-download.pdf?__blob=publicationFile&v=4

 

<参考>ドイツ総合PMI~Q4は前期比▲2%近くでもおかしくないほどの落ち込み。

https://www.pmi.spglobal.com/Public/Home/PressRelease/506581df01e34f4fa8702c06b2d3bc58

 

景気サイクル的には10月、11月と既にしっかりとリセッション局面入りしていますので、これからは当面マイナスの深さをじっくり見極めるべき時間帯ということになります。

ifo Geschäftsklimaindex gestiegen (November 2022) | Fakten | ifo Institut

 

足元の極端なインフレ(下図黒線)により実質賃金が当面大きなマイナス(赤線)となるため、今までのプラス成長を支えてきた個人消費が勢いを失ってしまうことがリセッションの主犯(名目成長は十分高いまま)です。

(黒:インフレ、青:名目賃金、赤:実質賃金)

Hohe Inflation führt im 3. Quartal 2022 zu Reallohnrückgang von 5,7 % - Statistisches Bundesamt (destatis.de)

 

但し、この異常なインフレも来年後半はさすがに反落してくるはずですので、来年ずっとマイナスが続くという可能性は低いと思います。

 

<ドイツCPI推移/予測> (青:コア、橙:食品、緑:エネルギー)