日独経済日記

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20230425 南欧諸国の干ばつが深刻になってきています

 

スペイン、フランス、イタリアなどの南ヨーロッパ諸国が干ばつと水不足に苦しんでおり、ドイツでも観光業界に甚大な悪影響が出そうということでニュースになり始めています。梅雨のある日本と異なり、南欧では今水がなければ今後挽回できる可能性は低い模様です。

 

①スペイン

  • 2021年秋以降ほとんど雨が降っておらず、カタロニアとしては過去最悪の干ばつ
  • 各種節水対策にもかかわらず、水位は急速に低下し続けている。
  • カタロニアの貯水池水量は平時の26%まで低下(昨年は58%)。
  • バルセロナでは、水節約のためビーチごとに1つのシャワーしか稼働できない。
  • 農家は水の消費量を40%削減しなければならない。緑地の灌漑や飲料水による通りの清掃は禁止。
  • 一般家庭では1人1日あたり230リットルの消費制限。プールを楽しむことなどとても不可能。
  • 今すでにそのような状況なので、観光客が殺到し水の消費量が劇増する夏が思いやられる。
  • 今年の夏は干ばつの緊急事態発令が避けられそうもない見通し。
  • 観光大国スペインとしては、観光客の足が遠ざかるような事態は何としても避けたいところ。

 

②イタリア

  • イタリアでは、特に北部で水不足が深刻。
  • イタリア最大のポー川は、川上の雪の激減により、水位が極端に下がっている。
  • イタリア北部の多くの湖でも水位が下がっており、養殖や飲料水が脅かされている。
  • 都市間の水の奪い合いを避けるために、そろそろ厳しい配給制度導入を決断しなければならない。
  • 干上がった川の流れに海水が浸透するのを防ぐことための防塩バリアも必要。しかしその調整にはかなり手間取りそう。


③フランス

  • フランスの大部分は、雨不足のために今年の夏も干ばつになりそう。
  • 地下水位は現在、国土の4分の3で平均以下まで低下。
  • 3月に雨が多めに降ったものの、地下水はこれまでのところ十分に補充されていない。
  • 降雪量が少ないために山からの雪解け水が不足している上、平地の雨も少なすぎる。
  • マクロン大統領は、フランス国民に水節約の徹底を呼びかけ。料金引き上げも検討。
  • 気候変動の影響により、2050年までに利用できる水が30~40%程度減少すると予想されている。
  • フランスでもほとんどの観光客は、まさに夏の水不足の時期にやって来る。
  • 予約制などによる入場制限が必要になる観光地も出てきそう。
  • 観光大国フランスとしては、エコロジカルフットプリントを削減し、持続可能な観光を促進するために努力しようとしている。

 

ギリシャ

  • 幸い首都アテネに水を供給する貯水池は幸い十分に満たされている。
  • しかしエーゲ海南部の一部の島々では、干ばつが常態化。海水を飲料水に処理する太陽光発電システム頼みになっている。

 

ちなみにドイツのライン川水位は正常なレベルをしっかり維持できています。

https://www.elwis.de/DE/Service/Wasserstaende/14-Tage-Vorhersage-Rhein/14-Tage-Vorhersage-Rhein-node.html