日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240105 ドイツの気になるデータ5選(CPI、小売売上、インフル、洪水関連など)

①CPI(12月速報)~ドイツ国内基準で11月の+3.2%から12月は+3.7%に上昇。2023年通年で+5.9%の着地(予想比やや低め)。

前月比では非常に落ち着いた推移ながら、前年同期比では昨年の政策発動(エネルギー代補填)の反動が大きく出ている格好(ベーシス効果)。

次の1月分では年初の各種値上げが上昇圧力となる見込みで、既に年内大幅利下げを期待している市場がこれをネガティブに捉える可能性がある。

ちなみにドイツ連銀/ECBの予測では、HICPの下げ渋りが覚悟されている。

 

②小売売上~速報ベーㇲで2023年は前年比名目+2.6%/実質▲2.9%。主因はもちろん上記の6%近くにも及んだインフレ(実質賃金をマイナス圏に押し下げ)。

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2024/01/PD24_004_45212.html

 

③インフルエンザ/コロナ現在610万人が呼吸器系疾患に感染中。新規感染のうちコロナのシェアは18%。昨年同様のピークアウト感が出つつあるものの、通常2月から3月にかけてもう一ヤマあるので引き続き要警戒。

https://influenza.rki.de/Wochenberichte/2023_2024/2023-52.pdf

 

④洪水~連日ドイツのトップニュースとなっている洪水/水害は、下図赤点地域で厳しい状況継続。緊急事態ということで債務ブレーキ(新規借り入れをGDP比0.35%以内に限定する財政健全化ルール)の停止が議論され始めている。

https://www.hochwasserzentralen.de/

幸いライン川は何とか凌げそうな感じ(下図はベンチマークとされるカウプ近傍のデータ)。

https://vorhersage.bafg.de/14-Tage-Vorhersage/Kaub_14Tage.pdf

 

天然ガス需給~ガス消費節約量が目標の平時比▲20%にやや届かないこと(左から2番目)だけやや注意が必要ながら、概ね良好な状態継続(左から順に、気温、節約、備蓄、近隣諸国の状況、調達)。

https://www.bundesnetzagentur.de/DE/Gasversorgung/aktuelle_gasversorgung/start.html

<よろしければ併せてご覧ください>

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