本日のドイツのトップニュースは、何といってもサッカー欧州選手権、対イングランド戦でのドイツ敗退(0-2で完敗、レーブ監督引退)ではあるのですが、それがなければ本件がトップニュースだったかも知れません。
ドイツのTwitterはこの話でかなり盛り上がっています(#Baerbock で24千件のツイートが飛び交っている)が、現時点で日本語の報道はまだないようです。
本日6/30付のビルト紙(ドイツ最大の新聞、タブロイドではありますが、政治的影響力絶大)はこんな感じで1面左上に「ベアボックにパクリ疑惑」と掲示し、2面に大きな記事を載せています。
Greenの次期首相候補であるベアボック(共同)党首は、9/26の総選挙に向けて、6/21に自叙伝とマニフェストを兼ねたこちらの本「この国をいかにして刷新するか」を出版したのですが。。。。
その本の中に何か所も、WEBからコピペしたような箇所が発見されました。ビルト紙は以下4か所をその代表例として紹介しています。いずれも「これはコピペして少し手を加えただけだな」と一目でわかるものです。
いずれも内容としては一般的な認識、事実を表現したものであり、「著作権の侵害」や「博士論文上での盗用」といったような重大な違法性はないと思われますが、引用元を明示することなくほぼそのまま表現を拝借しており、他にも同様に疑わしい部分が何か所もあることから、「政治家としての信認の問題」として強い批判を集めています。
このニュースの影響を一部反映した世論調査結果には、いったん落ち着きつつあったCDU/CSUのGreenに対するリードの拡大再開が見て取れます。
FORSA(週次定例調査):29対21⇒30対20
INSA(緊急調査) :28対19⇒29.5対18
Wahlumfragen zur Bundestagswahl 2021 – Sonntagsfrage (Wahlumfrage, Umfragen) (wahlrecht.de)
本件の前には、党から支給されたボーナスの申告漏れや、(ちょっと盛った感じの)不正確な経歴表示(ともに謝罪・訂正済)が問題になっていました。
ドイツの次期首相をこんなに脇が甘い人に任せて大丈夫か、という疑念は、約3か月後の総選挙当日(9/26)でも消えていないと思われます。
引き続きラシェット対ベアボックは8-2でラシェット優勢と見ます。