最近の政党別支持率世論調査を見ていると、以下の特徴が鮮明化しています。
Wahlumfragen zur Bundestagswahl – Sonntagsfrage (Wahlumfrage, Umfragen) (wahlrecht.de)
Kantarの時系列推移をグラフで見るとこんな感じです。
Bundestagswahl: Neueste Wahlumfrage von Kantar (Emnid) | Sonntagsfrage #btw21 (dawum.de)
上表に掲載されていないリアルタイムオンライン調査Civeyでも、足元まさにそのような結果となっています。
<政党別支持率>
ドイツの政治全般として、各種重要課題(安全保障、気候変動対応、経済、社会的正義など)に適切な対応をしていない、という国民の不満が、主に国のトップであるショルツ首相と政権第一党であるSPDに向けられているということだと思います。
<ドイツ政治(政府ではない)に対する満足度> 上ほど満足、下ほど不満
Erfahren Sie, was Deutschland denkt - Civey
ショルツ首相の何が具体的に気に食わないのか、をすっきりと示すデータはなかなか見当たらないのですが、首相の仕事に対する満足度が最近急低下して低水準にあることはまちがいなく、Wahlenの「どの政治家がいい仕事していますか(良い/悪い%)」という世論調査では、以下の通りショルツ首相が苦戦しています。
①ベアボック外相(Green) :54%/28%
②ハーベック副首相兼経済相 :51%/26%
⑦ショルツ首相 :36%/46%
ショルツ首相は、メルツCDU党首やゼーダーCSU党首よりはずっと高い評価を維持していますし、ウクライナに対する武器供与がやや後手後手に見えることについても、国民の多くは「このくらい慎重でよい」と支持しています。
一方で、政策全体に対して明確な説明がない、インフレ等の経済問題に有効な手を打てていない、という印象を持たれていることが、ショルツ首相およびSPDの支持率低下につながっている模様です。
ちなみに、10/9(日)にはニーダーザクセン州で今年最後の州議会選挙が予定されており、SPDが第一党の座を維持できるかどうかが注目されています。
今のところ、同州での政党別支持率におけるSPDのリードは揺らいでいません。