ドイツ5大研のリーダー格であるベルリン研(DIW)から本日(4/6)「利上げすればエネルギー価格は確かに下がるが、経済にも危ういブレーキをかけてしまう、というジレンマをECBは抱えている」という(まあ当たり前の)趣旨のプレスリリースを発表しました。
その趣旨自体に特段新味はないのですが、各方面への影響について具体的数字が挙げられていましたので以下ご紹介します。
★1年物ドイツ国債利回りが0.25%上昇した場合(現局面ではECBが0.25%利上げする毎に、と読み替えてよいと思います)
- 暖房費 :2%押し下げ
- ガソリン/ディーゼル価格 :4%押し下げ
- インフレ全体 :0.2%押し下げ
- 鉱工業生産 :(短期的に)2%押し下げ
- 失業率 :0.1%押し上げ
DIW Berlin: EZB vor Dilemma: Zinserhöhung würde Energiepreise senken, aber Wirtschaft belasten
上記はあくまで平時のマクロモデルに基づく試算であり、コロナ&戦争で不透明度が高い現在の環境では先を見通すのが難しいと付言されています。
ちなみにドイツ政府も「モラル的にはロシアのエネルギー全面禁輸が妥当なのだが、今そんなことを勢いに乗って断行すれば経済的自殺行為になる」という究極のジレンマに悩んでいます。