日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220211 今年のドイツインフレ率は3というより4%

昨日EU委員会の経済見通し(四半期)がアップデートされました。

Winter 2022 Economic Forecast: Growth expected to regain traction after winter slowdown | European Commission (europa.eu)

Winter 2022 Economic Forecast (europa.eu)

 

ドイツの見通しは以下の通りで、今年はGDPとインフレの両方が非常に高く、名目成長を実感できそうな年、となっていましたした。

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これを含めて最近の内外主要機関のドイツCDP/CPI予測をまとめると以下のようになります。

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上表では今年のドイツのインフレ予想は3%程度ということになっていますが、先日(2/7)ifo研が昨年12月に出したばかりの3.3%という予想を4.0%に上方修正してきました。企業の値上げ意欲が非常に強い、という感触を持っているようです。

Unternehmen wollen Preise erhöhen | Pressemitteilung | ifo Institut

独インフレ率、22年見通しを4.0%に引き上げ=IFO | Reuters

 

その直後(2/9)には、以下のドイツ連銀新総裁ナ-ゲル氏インタビュ-にある通り、ドイツ連銀が4%超と見ていることが判明しています。

20220209 ナーゲル独連銀総裁「今年インフレは4%を大きく超過」 - 日独経済日記 (hatenablog.com)

 

今年のドイツインフレ(年平均)予想が、当初の3%前半から4%方向に大きく切り上がりつつあるということではないかと思います。

 

3であろうが4であろうが、ECBのインフレターゲットの2を大きく上回っていることに違いはなく、去年を含めて2年間もドイツインフレの高止まりが続く見通しということであれば、ドイツの労組は高い賃上げを強硬に要求してくることになりそうです。

 

EURIBOR3ヶ月物金利先物市場のプライシングを見ると、現在▲0.528%の3ヶ月物金利

Euribor rates - all information on Euribor (euribor-rates.eu)

が10月か11月にはプラス転換する織り込みになっています。

Three Month Euribor Futures | ICE (theice.com)

債券購入プログラムのネット購入を今秋にも終了し、金融政策正常化に向けた利上げが開始されることになりそうです。