ワクチンに対する国民の受容度の高さを示す「1回以上接種者の人口比率」の時系列推移をみると、UKとドイツはワクチン接種で最初大きく先行していたものの、その後は75%あたりが壁になって伸び悩んでいます。一方、イタリア、日本、フランスは、最初こそ出遅れていたものの、今や80%と高い接種率を実現しています。
Coronavirus (COVID-19) Vaccinations - Our World in Data
ドイツにおけるワクチン接種状況の詳細は、こちらで直近の断面が毎日確認できます。
◆本日(2月10日)時点でドイツの人口(8320万人)に対し、コロナワクチン接種ステータスは以下のような分布となっています。
- 1回以上接種済: 76.0% ~最近ほとんど増えない
- 接種完了済: 74.6%
- ブースターまで完了: 55.0% ~最近の接種の大半がこちら
- 接種せず: 24.0%
- 接種対象外(4歳以下):4.8%
◆以下の年齢層別の接種比率を見ると、会社の同僚やビジネスパートナー(18-59歳)の8割強(82.7%)は接種完了済と考えてよさそうです。
◆州別に比較してみると、ブレーメン、ザールラント、ハンブルク、シュレシビッヒホルシュタインの4州で80%超の高い受容度が確認される一方、旧東独諸州では相対的に受容度が低くなっています。
◆東独同様、ロシアを含む東欧諸国でもワクチン(国)に対する信頼度が低く、接種比率も低めとなる(下図で緑色が薄くなる)傾向が顕著になっています。
Coronavirus (COVID-19) Vaccinations - Our World in Data
◆ドイツで現在認可/投入済のワクチンは以下4種(シェア%)です。
①ビオンテック/ファイザー(72%)、②モデルナ(18%)、
③アストラゼネカ(8%)、 ④ジョンソンアンドジョンソン(3%)
◆ドイツでは今年10月1日あたりから(基本的人権の制約面を慎重に議論しており、時間がかかる)のコロナワクチン接種義務化を目指して国会での議論が進められていますが、先行して議決された3月15日からの医療関係者(病院、介護施設など)に対する義務化ですら、バイエルンなど一部の州が人手不足を理由に撤回しようとする動きが出る(その後終息に向かっていますが)など、ワクチン接種義務化実現までの道のりはかなり険しいものになりそうです。