最終結果判明は恐らく翌朝になりますが、20時時点で大勢が決している模様なのでコメントしておきます(結論的に相場には全く影響ないと思いますが、ドイツ国内政治にとっては相応の意味合いを持っているように感じられます)。
【得票率】
- CDUは事前の世論調査(38%程度)をさらに上回る40%超の得票で圧勝。前回(2017年)比でも+10%以上支持を伸ばした。
- ギュンター現州首相は、通常は運営(政策調整)が困難とされるジャマイカ連立政権(CDU+Green+FDP)を非常にうまく運営し、州民の高い支持を勝ち取ってきた。今回の州議会選挙ではその点が高く評価された格好。
- 前回ザールラント州で大敗を喫したメルツCDU党首は今回きっちりと挽回した格好。1週間後のNRW州選挙でもCDUの追い風となることが期待されている。
- 連立ジュニアパートナーのGreenは、やや期待外れではあったものの、前回比約5%支持を伸ばすことに成功。
- SPDとFDPは前回比支持を大きく落としたものの、連邦政府(SPD+Green+FDP)の中で最近Greenだけが支持率を上げていることと明確に関連付けるのは難しい。
- AfD(極右)は得票が5%に達せず、議席を失う見込み。
【今回のCDU勝利の立役者、ギュンター州首相(48)】
【獲得議席数と連立の行方】
- 過半数35(全69)議席に対してCDUが34議席も確保しているため、理論上は他のすべての政党との連立組み合わせが可能だが、現実的にはこれまでの連立パートナーであったGreenかFDPの二択。
- 民意を重視するなら黒緑(CDU+Green=48議席 安定的過半数)
- CDUにとって経済重視の自然な連立相手となりやすいFDPを選んで黒黄(CDU+FDP=39議席 過半数+4)とすることも可能。
- ギュンター州首相は両方の政党に連立交渉をもちかける予定で、現時点ではどちらの可能性が高いかは不明。
- CDUとしては、FDPとの連立で経済重視の政権運営を始めたいところながら、ジャマイカ政権内のCDUとGreenに支持を増やし、FDPの支持を減らしており、民意は明らかに黒緑を選好。⇒今回は黒緑で決着する可能性が高いと予想。
(★5/12補記:ギュンター州首相は、選挙前のジャマイカ連立を維持する方向で連立交渉を進めている模様)
- 極右政党AfDはこれまでドイツのすべての州で議席(5%以上の得票、SH州でも前回は5.9%)を確保してきたが、今回5%条項で足切りになるため、久しぶりにAfD議席ゼロの州議会が誕生する見込み。隣国フランスで極右が年々台頭していることを考えると、ドイツにとって大きな朗報。
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Wahl Schleswig-Holstein: CDU gewinnt Landtagswahl - Mehr im Liveticker - WELT
ちなみに週末のDAX気配はほとんど動きなく、本選挙結果やロシア情勢を含めて特段市場を動かすような材料はなかったということになります。
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