昨日実施された、バイエルン州とヘッセン州の州議会選挙結果についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです(極右の躍進を憂慮するトーンが強い)。
- 両州での選挙結果は、ベルリンの信号機連立政権の一貫性のない政策に対する国民の不満を如実に表している。
- AfD(極右)が州議会で多数の議席を獲得し続けていることを憂慮すべき。
- AfDは、特に難民政策での迷走から恩恵を受けている。
- ヘッセン州では、フェイザー内相(SPD、同州リーダー)の移民政策が政府の制御不能を強く印象付け、SPDが得票を大きく落とした。
- ヘッセン州のCDUは、左派&緑のカオスを批判して得票を伸ばした。
- ショルツ首相には新たな内相が必要かもしれない。
- バイエルン州の連立与党FWも、アイワンガー党首の反ユダヤ主義スキャンダルでかえって得票を伸ばした。
- バイエルン州首相のゼーダー(CSU)は、第一党の座をキープしたものの、得票率は前回比わずかながらもマイナスであり、真の勝者とは言えない。今後はアイワンガーFW党首をこれまで以上にうまく制御する必要がある。
- AfD自体は州の政治課題に対して何ら解決策を提供できていないにもかかわらず、まるで真の市民政党のような支持を得ている。歴史の冗談としか思えない。
- 両州とも右翼ポピュリストが壊滅的な好成績をたたき出した。すべての民主主義政党に対する警鐘として重く受け止めるべき。
- AfDの人気は旧東独だけではなく、ドイツ全体に広がっている。ヘッセン州ではAfDが第2党に躍り出たが、これは旧西独州では初めての現象。
- ショルツ首相(SPD)は、大敗北を喫したSPDが今後も国民政党であり続けるために何をすべきかよく考えるべき。
- 両州とも現在の連立政権(バイエルン:CSU+FW、ヘッセン:CDU+Green)が維持される可能性が高い。
①バイエルン州結果~スキャンダルでも連立パートナーFW躍進、SPD一桁に転落
②ヘッセン州結果~CDU大勝、FDPかろうじて5%条項クリア、AfD第2党
<日本語報道例>
●来秋旧東独3州で州議会選が予定されているが、今のところ(いずれも支持率3割強で)AfDが第1党に躍り出る可能性が高い(9/1:ザクセン、チューリンゲン、9/22:ブランデンブルク)。
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