日独経済日記

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20221212 ドイツ年末商戦、ドイツ小売業協会は前年比実質▲4%を予想

 

ドイツ小売業協会(HDE)がドイツの年末商戦(単純に11月と12月の売上合計)についていくつか興味深いデータを公表してくれていますので、今回はそれをご紹介します。

Handelsverband Deutschland (HDE) - Kurzlink Weihnachten (einzelhandel.de)

 

●3回目の週末をこなした昨日時点でHDEは、11月と12月の小売売上高(年末商戦)を1,200億ユーロ(17.3兆円相当)以上と予想。実質ベースで前年比マイナス4%に相当

 

●小売業者の3分の1が最近の手応えに満足。特に食品関連(59%)、衣料品(40%)で満足度高い。多くの小売業者が今後の更なる売り上げ増に期待。

 

●コロナ後爆増したネット販売も、さすがに今年通年ではやや鈍化する見込み。但しHDEはあくまで「正常化」であり「減速」ではないと冷静に受け止め。年末商戦だけでみるとほぼ昨年並みを維持。

 

 ●年末商戦(11月+12月)が年間小売売上に占めるシェアは19.2%(2021年)。
 時計宝飾(27.0%)、本(26.6%)、おもちゃ(25.6%)、娯楽家電(25.3%)
 では年末商戦が特に重要。

 

●クリスマスプレゼントとして人気が高いのは

 ①商品券、②おもちゃ、③本・筆記用具、④美容関連、⑤服/靴、

 ⑤現金、⑥革製品、⑦食品、⑧健康関連、⑨住居関連、⑩コンサート/演劇、

 ⑪時計/宝飾品、⑫電器製品、⑬スポーツ用品、

 ⑭PC/タブレット/スマホ、⑮工具類、⑯旅行、⑰台所用品

 

 ●昨年よりは予算少な目にする人が4割、同じくらいが4割。

 

 

●ちなみに小売売上は名目(薄赤)で奮闘しているものの、インフレに食われて最近は実質(赤)は下向きになっています。このグラフの形は「ワニの口」のように見えます。

Einzelhandelsumsatz im Oktober 2022 um 2,8 % niedriger als im Vormonat - Statistisches Bundesamt (destatis.de)

 

●人出(青)はかなり戻っているので、多くの商店主は最後の追い込み(巻き返し)に期待しているということのようです。

(水色:実質GDP水準、緑:ホテル・レストラン、赤:小売、青:人出)

Pulsmesser Wirtschaft - Dashboard Deutschland (dashboard-deutschland.de)