日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20221125 ドイツ連銀月報いいとこどり①(グローバル経済編)


ドイツ語のWEB世界は常に良質のコンテンツで溢れており、感動すら覚えているのですが、その中でもドイツ連銀の分析・発信は価値が高いと思っています。

本ブログでドイツ連銀関連の発信が圧倒的に多くなっているのはそのためです。

今回こちらの2022年11月月報で見かけた「ガッテン」的なものを「いいとこどり」するような形でざっとご紹介させて頂きます。
https://www.bundesbank.de/de/publikationen/berichte/monatsberichte/monatsbericht-november-2022-900662

 

●グローバル経済

鉱工業生産(上)も自動車生産(中)も今まではしっかり目だったが、景気先行指標(下、PMI)は(コロナ直後ほどでないにしろ)大きく悪化。

 

●グローバルコモディティ価格

上記のようなグローバル景気減速懸念を反映して、原油(上)、天然ガス(中)、産業原料(下)の価格もピークアウト後軟化傾向。

 

●先進国のインフレ

わずかにピークアウトの気配あるも、エネルギーに押し上げられた全体(黒)だけでなく、コア(青)も高水準で、今後十分に下がってくれるかどうかは不透明。

 

●エネルギー価格上昇の深刻さ度合い

直近5年前との比較でプロットすると、欧州(青、ユーロ建て)はオイルショック当時をはるかにしのぐ高率となる(黒:グローバル、ドル建て)。

 

●主要新興国の実質GDP(水準)の軌道

ロシアは経済制裁と徴兵/国外逃亡による人出不足のため大きくマイナス。

 

●ユーロ圏経済

これまでは実質GDP底堅い動き(左:上からユーロ・仏・伊・西)ながら、
車が非常に弱く、輸入が膨張して景気の足を引っ張っている(右、上から小売売上、新車登録、輸入/輸出、鉱工業生産)。

  

 

●ユーロ圏ビジネスセンチメント

(下から順)消費者、サービス、製造業、建設業の順に悲観的。

 

●ユーロ圏インフレ

高水準かつすそ野の広い上昇で、まだピークアウト感は出ていない。

(上から順に、エネルギー、加工食品、生鮮食品、工業製品、サービス)