本日ドイツ連邦統計局から、ドイツ小売売上6月分のデータが発表され、インフレ調整前の名目ベース(下図薄赤線)では前月比▲0.5%/前年同月比▲0.8%と一見大したことのない低下に見えていましたが、インフレ調整後の実質ベース(赤線)では前月比▲1.6%/前年同月比▲8.8%と「急ブレーキ」がかかった格好となっていました。
コロナ後長らく活況を呈していたインターネット・通信販売事業ですら、今回は前月比▲3.8%/前年同月比では1994年以来最大のマイナス幅となる▲15.1%を記録しました(但し、コロナ前の2019年6月比では+22.3%と依然高水準)。
ちなみにドイツ連銀の目にはこのように見えています(上:名目、下:実質)。
同じく本日発表されていた、ドイツ小売業協会(HDE)の消費バロメータ(今後3ヶ月程度の消費ムードを示すもの。小売売上等の水準自体との相関はかなり低いが、上下の方向性は示す)も大きく低下しています。
ドイツ消費者の間で、将来に対する不安(特に今後のガス代負担急増)と足元の価格上昇継続への危機感が高まったため、財布のひもをキュッと引き締め、それがしばらく続きそうだ、ということではないかと思います。
Handelsverband Deutschland (HDE) - Kurzlink Konsumbarometer (einzelhandel.de)