日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220801 ドイツ小売売上に急ブレーキ

本日ドイツ連邦統計局から、ドイツ小売売上6月分のデータが発表され、インフレ調整前の名目ベース(下図薄赤線)では前月比▲0.5%/前年同月比▲0.8%と一見大したことのない低下に見えていましたが、インフレ調整後の実質ベース(赤線)では前月比▲1.6%/前年同月比▲8.8%と「急ブレーキ」がかかった格好となっていました。

 

コロナ後長らく活況を呈していたインターネット・通信販売事業ですら、今回は前月比▲3.8%/前年同月比では1994年以来最大のマイナス幅となる▲15.1%を記録しました(但し、コロナ前の2019年6月比では+22.3%と依然高水準)。


Einzelhandelsumsatz im Juni 2022 um 1,6 % niedriger als im Vormonat - Statistisches Bundesamt (destatis.de)

 

ちなみにドイツ連銀の目にはこのように見えています(上:名目、下:実質)。

Umsätze | Deutsche Bundesbank

 

https://www.bundesbank.de/resource/blob/767314/9fdc67e798a7cefda35d122fb1263247/mL/001-grafiksammlung-pdf-data.pdf

 

同じく本日発表されていた、ドイツ小売業協会(HDE)の消費バロメータ(今後3ヶ月程度の消費ムードを示すもの。小売売上等の水準自体との相関はかなり低いが、上下の方向性は示す)も大きく低下しています。

ドイツ消費者の間で、将来に対する不安(特に今後のガス代負担急増)と足元の価格上昇継続への危機感が高まったため、財布のひもをキュッと引き締め、それがしばらく続きそうだ、ということではないかと思います。

KB Aug22

Handelsverband Deutschland (HDE) - Kurzlink Konsumbarometer (einzelhandel.de)