ドイツ自動車メーカーにとって中国は最重要市場であり、VW(フォルクスワーゲン)が首位を維持してきたが、最近、中国メーカーであるBYDに抜かれてしまったということで話題になっています。
本件に関するドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。
- 今年第1四半期のデータによると、BYDは約44万1,000台(前年比+68%)販売したのに対し、VW42万8,000台(同▲14%)。約13,000台差で完全に逆転された。
- VWとしては上海モーターショー前夜という最悪のタイミングでの首位陥落。VWが内燃エンジンで首位に君臨し続けてきたが、BYDに電気自動車で追い抜かれた。
- 中国ではEVの需要が強く、かつ価格競争が厳しい。
- VWの中国EV販売は 1~2月合計で6,300 台しかない。一方、新たなマーケットリーダーであるBYDは内燃機関車を一切販売していない。
- EV売上トップ 10 の中にドイツのモデルは1台も入っていない。外国メーカーではテスラのみ。
- 中国メーカーは、EVの低/中価格帯のモデルで市場シェアを伸ばしている。
- VWはあくまでアッパーミドルクラス(BMWはプレミアムクラス)での勝負にこだわっている。
- 中国人はより手頃な価格で高級ブランドを手に入れようとしており、価格とマージンでは大幅な譲歩が避けられそうもない。
- テスラの値下げ攻勢の後、40以上のメーカーがEV販売価格を引き下げたため、中国の業界全体の利益率が大幅に低下している。
- VWは自動運転技術高度化のため、中国企業といくつかの合弁事業を立ち上げたところだが、コスト低減のための生産プロセスの見直しも必要。また、燃料電池技術などEV以外の駆動形態にも目配りすべきかもしれない。
<中国自動車市場データ>