日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230120 ドイツの対中戦略見直し、落としどころ見えず前途多難

こちら↓のリンクから無料入手できるドイツ取引所新聞年末特集号の中の、ドイツ対中戦略見直し関連の記事(P45)のエッセンスを(いつものように私なりの言葉にかみ砕いて)ご紹介します。

https://daten.boersen-zeitung.de/download_jsa.php?variant=bz

 

  • 万一中国が台湾に侵攻すれば、ロシア同様の制裁発動により、ドイツが高度に依存している中国から、販売市場としても調達源としても一気に切り離される
  • しかし、自動車(中国は最大の海外市場)、機械(年170億ドルを中国に輸出)、電機(スマート部品の7-8割を中国に依存)、化学(海外売上の半分が中国)といったドイツの主要産業は中国依存圧縮など実現不能
  • ドイツ政府が現在策定中の対中戦略見直しでは、①現状の販売/調達面での依存度引き下げ、②投資やM&A戦略の変更、の二つを軸に検討が進められている。
  • 自動車産業は、中国での生産を中国向け販売用に特化することで、制裁で分断された際のダメージを軽減しようとしているが、逆に今できることとしてはその程度が精一杯。
  • 産業界は昨年まで対中投資(R&Dを含む)をガンガン増やしており、今後の政治からのいかなる締め付け(輸出保証非適用など)に対しても激しく抵抗しようとしている。