30年来の友人であり、心から尊敬するドイツ人エコノミストであり、私が現在住んでいるアパートの大家さんでもある、Dr. Wermuth のコメントをご紹介します。
ちなみに奥様は統計学のProfessorで、家事の多くは彼が引き受けているそうです。
●ドイツでのEV普及は、北欧にはやや見劣りするものの、日本よりはるかに進んでいる。
●インフレによる値上がり(電気代を含む)に加えて、今年から補助金が大きく削減され、EC価格が11~33%高くなるため、新車登録においては今年・来年と反動減が出る。
<台数>
<シェア>
- EVで生き残りたければ、世界の過半を占める中国市場の特殊性の研究は不可避。環境汚染が余りにもひどい上、自動車先進国に内燃機関ではかなわないので、独自の市場形成を進めている。
- バッテリー価格は最近やや上昇も、長期的な下落傾向は継続。容量1 kWhあたりのコストは 2014 年の600 ドルから、2024 年には 94 ドル、2030 年には 59 ドルにまで低下見込み。EV の総コストに占めるバッテリー部分のシェアも低下へ。
- 年14千キロ走行における運用コスト比較:
<内燃機関>100 キロあたり 8 リットルのガソリン(@1.90ユーロ)消費
⇒年間2,128 ユーロ。
<EV> 平均電気料金を 60 ユーロセントとすると
⇒年間1,512 ユーロ(月約 51 ユーロの節約)。
加えて、保険料と自動車関連税は EV の方が安い。
中古車は将来に向けて値持ちするので高く売れる。 - 電気料金は長期的に下落する可能性が高い。 限界費用がほぼゼロの再エネが、総電力生産シェアが着実に増加するため。
- EVは今のところ確かに割高だが、その生産能力拡のためにお金を使うことは、合理的であり、適正なリソース配分を歪ませることにはならない。投資をケチれば、そもそも生き残りすら難しくなる。