5月14日に実施されるトルコ大統領選(有権者約64百万人)に関しての現時点でのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。
- 約150万人のトルコ人(トルコ系だと300万人)を抱えるドイツには、世界最大のトルコ人コミュニティがある。
- トルコ出身者のほとんどはノルトライン ヴェストファーレン(NRW)州に住んでおり、そのうち約50万人が有権者。
- トルコ大使館や総領事館は、ドイツ国内に投票所を設置し、ベルリン、デュッセルドルフ、ニュルンベルクなどでは、今日から投票できるようになる。
- トルコの政治家によるドイツ国内での選挙運動は許可されていない(5年前に大問題になった)。違反行為に対しては厳しく対処される。
- 最近の世論調査では、エルドアン大統領と挑戦者である野党党首クルチダルオール氏との間での大接戦が予測されている(下添データご参照)。
- エルドアン氏は、約20年にわたってトルコのトップに君臨しているが、足元まだ50%超のインフレや約5万人の犠牲者を出した2月の大地震への対応には批判が高まっている。
- 同氏は最近、TVインタビューを突然中止し、イベント出席を急遽キャンセルするなど、最近健康不安説が浮上している。
- 6野党統一対抗馬のクルチダルオール氏は、財務官僚出身で財政に明るいが、74歳と高齢かつ地味なため、国民の人気はあまり高くない。
- 野党が勝利すれば親EU路線へのシフトが期待できるものの、イスラム国として基本的価値の共有が難しいトルコのEU加盟はそう簡単ではない。
<最近の世論調査>~エルドアン/クルチダルオールはほぼ互角(後者やや優勢)
挑戦者クルチダルオール氏~欧州寄り穏健派ながら、地味過ぎて華がないとされている
現職エルドアン大統領~近年独裁色が色濃くなっている