私が定点観測している以下4つのリスクについてのクイックチェック結果をご報告します。いずれも今のところ低リスク(但し今後も引き続き要注視)と判断しています。
●ドイツ鉄道がストでマヒするリスク
ドイツ鉄道(DB)での労使交渉がまだ決着しておらず、これまで何度もストライキが繰り返されてきましたし、今後のストリスクが完全に消えたわけではありません。
しかし現在は「調停」(交渉は7月17~31日)プロセスの中にあり、元連邦内務大臣デメジエール(CDU)という大物政治家が調停役を務めることもあり、今回こそ何とかなるのではないかという期待は高まっています。
万一決裂しても、スト断行に踏み切る手続きにも時間を要しますので(組合員の75%の賛成が必要)、少なくとも9月くらいまではストの心配はないとされています。
●ライン川水位低下による水運目詰まりリスク
最近少し雨が降っていることもあり、
ベンチマークであるカウプの水位がやや持ち直しています。
昨年苦しんだ経験から、在庫積み上げやそもそもの水運回避も進んでおり、
水運目詰まりリスクは低下しているとされています。
https://vorhersage.bafg.de/14-Tage-Vorhersage/Kaub_14Tage.pdf
●コロナ再流行リスク
新規感染者数は1日100人程度で、今後増える兆しもなく、落ち着いた状況です。
https://interaktiv.morgenpost.de/corona-virus-karte-infektionen-deutschland-weltweit/
●来冬ガス不足再来リスク
ガス価格は昨年比大きく切り下がっていますが
特に企業努力のおかげ(家庭のガス暖房は足元そもそも不要)で、
昨年並みの節約が続いており
ガス備蓄は順調に積み上がっています。
中国の景気低迷もあり、世界のガス需給ひっ迫も起こっていないので、
今のところ冬のガス不足リスクは小さいとされています。
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