先ほどドイツ5賢人会(経済諮問委員会)から年次経済予測が発表されました。現時点で最も権威ある(予算や計画などの拠り所とするのに最適)報告書ですので、そのエッセンスをまとめておきます。
●今年の実質GDPは▲0.4%(と市場コンセンサス並み)で着地見込み。来年は個人消費が回復に向かうものの+0.7%どまり(ユーロ圏は+0.6%/+1.1%)。
●他のEURO圏主要国と比較すると、ドイツ(青)の戻りが昨年以降非常に鈍い。
●インフレ率は今年6.1%、来年2.6%と、比較的順調な低下が見込まれるものの、ECBの2%目標達成にはなかなか至らない(ユーロ圏は+5.6%/+2.9%)。
●実質GDP前期比(左)とインフレ前年同月比(右)の予測レンジ:
●潜在成長率は労働投入(橙)の強烈な下押し(団塊世代のリタイヤ)により0.4%程度まで低下(ほぼ日本並みの水準)。
●労働力人口(水色)も一人当たり労働時間(紺色)も大きく減るので、移民(黄色)ではそのごく一部しか補えない。
●少子高齢化、低生産性、資本ストック老朽化、革新的企業不在などが成長力を押し下げ。 その克服には将来への投資が急務(これはまさに日本も同じ)。
●雇用機会拡大や働くインセンティブの改善、公平感を高める年金改革(退職の開始時期を平均余命と結びつける、年金水準を引き下げる、高所得者から低所得者に再配分する、株式運用を導入するなど)も重要。
●流動的な資本市場/強力な株式文化(図左:非上場株と銀行借入への依存過大)、多くのベンチャーキャピタル(右:紫)が必要。
●賃金(時給)は今年+5.9%、来年+5.1%と強い伸びが続く見込み。
●実質所得の格差はどんどん拡大している。
●市場は米英より早め/大きめ(来年計1%)のECB利下げを織り込み(本経済予測の前提にもなっている)。
●但し、テーラールール的にはまだやや利上げが足りない感じ(据え置いているうちに来年適正水準にはなる)。
<日本語報道例>
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