先ほどドイツ5大経済研究所(ベルリン、ifo、キール、エッセン、ハレ)によるドイツ経済予測が発表されました。そのエッセンスは以下の通りです。
- ドイツ経済はガス料金の高騰で激変。インフレにより経済全体の購買力が大幅に押し下げられてしまう。
- 実質GDPは、今年+1.4%の後、来年▲0.4%まで低下(個人消費が▲0.8%押し下げに寄与)、2024年には+1.9%に回復(前提 EUR/USD=1.00, ECB3.25%など)。
- インフレ率は今年8.4%から来年8.8%に加速した後、2024年に2.2%に急低下(流石にこれだけ発射台が高いと下がって見えやすい)。
- 失業率は人手不足のため、ほとんど増加することなく低位安定推移。
- 経常黒字は激減するも、GDP比4%超の高水準維持。
●実質GDPの四半期ベースの走り(最下段、前期比)は、今年Q3以降から3期連続マイナスとなる見込み(▲0.2%→▲0.6%→▲0.4%→+0.3%)。
●電気代(青線)、ガス代(黒線)は来年に向けてさらなる上昇不可避。
●時給(表中央)は、インフレに遅れて、来年+6.0%/再来年+5.4%と大幅上昇見込み。
●前提となる世界経済予測(実質GDP // インフレ、2023/2024)
米国(wt 27.2%) +0.6/+2.5% // +4.3/+2.1%
中国(20.6%) +5.0/+4.9% // n.a.
日本(5.8%) +1.2/+1.6% // +1.5/+0.8%
ユーロ圏(20.2%) +0.4/+2.2% // +8.4/+2.2%
●ドイツの潜在成長率(黒線)は2027年+0.5%に向けて急低下中。
全要素生産性(薄青棒)や資本ストック(灰色棒)は相応に持ち堪えるものの、
労働投入(濃青棒)が2024年からマイナスに転じる、加速するため。
もはや水準的に日本と大差なく、四半期毎に前期比マイナスが出る頻度
が激増しそう。
<プレスリリース>
<フル報告書>
https://gemeinschaftsdiagnose.de/wp-content/uploads/2022/09/GD_2022-2-unkorrigiert.pdf