日独経済日記

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20240223 ドイツオフィス不動産市場指数(pbbIX)続落

https://www.pfandbriefbank.com/kunden/pbbix.html

 

ドイツファンドブリーフ銀行(PBB)が昨日発表した2023年第4四半期のドイツオフィス不動産市場指数(pbbIX)は、▲1.96と続落し、2009年第1四半期以来の低水準となっていました(上図)。

  • pbbXIはドイツ7大都市(ベルリン、ハンブルクミュンヘン、ケルン、フランクフルト、デュッセルドルフシュトゥットガルト)のオフィス用不動産市況を、景気全般、賃貸、投資の3面から評価したもの(ゼロ=長期平均)。
  • ドイツ経済全体の低迷と金利上昇を背景に、投資家の慎重スタンスが強まり、7大都市のオフィススペース需要は大幅減少。
  • 但し、金利上昇が一服したので、低水準ながらも最初の安定化の兆候が見られる。スペース販売とキャッシュインフローは前四半期比ながらも増加。(恐らく多少の期待を込めて)今年はオフィス市場の安定化を予想する。

<オフィス空室率>~足元5.7%と1年前に比べて0.9%上昇。

 

<オフィス不動産投資資金(単位:10億ユーロ)>~ECB利上げ後急減速。



<キャップレート>~投資資金急減を反映して急上昇。

 

<トップオフィス賃料>~トップオフィス(場所や設備が良いもの)への需要は根強く、賃料も7%上昇と堅調継続。

 

<都市別>~7大都市の平均値(黒)よりややマシなのが首都ベルリン(上)、キビしいのが産業集積が比較的弱いケルン(下)。


なお、不動産ファイナンスに特化した中堅特殊銀行であるPBBは、50億EUR程度の米商業用不動産エクスポージャーを持ち、そのうち15%程度が不良化している(但し担保掛目は6割程度)と言われています。
PBBは数少ないドイツの上場銀行ですが、株価はさすがにかなり低迷しています。3/7の決算に注目が集まっていますが「炭鉱のカナリア」として同行の株価は当面ウォッチする価値がありそうです。

https://www.finanzen.net/aktien/pbb-aktie


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