日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20240411 中国進出ドイツ企業の不満

china.ahk.de

今週、ショルツ首相が独大企業トップ(シーメンスメルセデスなど)を引き連れて中国を訪問する直前のタイミングで公表された、在中国ドイツ商工会議所のアンケート調査(上記リンク)結果がなかなか興味深いので、そのエッセンスをまとめておく。

  • 調査対象ドイツ企業の約3分の2が中国で不公平な競争環境に置かれ、当局者と対話する機会や情報共有、許可の取得で不利な立場にあると感じている。
  • ドイツ企業は、製品の品質、技術的リーダーシップ、イノベーションの強さで、中国の競合他社よりも優れている一方、中国の競合他社と比較して、コスト効率、市場投入までの時間、イノベーションのスピードが最も弱い、と自己評価している。

  • 市場やネットワーク (政府、地方自治体、公共入札など) へのアクセスで特に競争上不利になっていると感じている。

  • 競争激化により、コスト圧力の増大、利益率の低下、市場シェア低下を覚悟している。

  • 競争力の劣後はさまざまな分野における不公平な扱いが原因。
  • 調査対象企業~機械3割、自動車2割、企業向けサービス1割

ちなみに、ドイツの経済専門日刊紙ハンデルスブラットは、中国市場へのアクセス改善よりも、補助金漬け格安中国製品の輸入にブレーキをかけることを最優先すべきだ、と主張している。

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