北朝鮮が上図のようなゴミ袋を積んだ風船を大量に韓国に送り込んだことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通り:
- タバコの吸い殻、衣類、紙くず、プラスチック、排泄物などが詰まったゴミ袋を積んだ気球が、韓国内に多数(700程度)落下した。
- 韓国メディアは、ゴミや糞便が詰まったゴミ袋を積んだ白い風船の映像を繰り返し報じている。
- 韓国軍が監視/対応していたが、風船に有毒化学物質が含まれている可能性を完全に排除できなかったため、撃墜はされなかった。
- 本件は一見、北朝鮮の感情的で未熟な作戦のように見えるが、レーダーのカバー範囲など、韓国の防空能力を試しているという面がある。
- 当該気球事件は南北停戦合意違反であり、韓米両国は北朝鮮のいかなる脅威や挑発にも協調して対応することを改めて確認した。
- 北朝鮮は以前から韓国の挑発的宣伝行為(後述)を罰するため、韓国との国境地域を「ゴミの山」で覆ってやると予告していた。
- 韓国の活動家らが時折、北朝鮮の指導者金正恩氏を中傷するビラや、貧しい北部住民への支援資金を入れた風船を北朝鮮に向けて飛ばすことがあり、北朝鮮はこれに激怒している。
- 韓国の前政権下で、両国間の軍事境界線沿いでのビラやその他の物の送付を禁止する法律が2021年に施行されたが、憲法裁判所は昨年、表現の自由を不当に制限しているとしてその禁止を解除した。
- 北朝鮮と韓国の関係は現在最悪の状態にある。北朝鮮は核兵器開発とロシア支援を続けており、韓国と米国は防衛協力を強化している。
- 北朝鮮は5月下旬から朝鮮半島西岸沖の広範囲でGPS信号を妨害しており、民間航空や海上交通を危険にさらす恐れがある。
- 北朝鮮はまた、日本海に向けて短距離弾道ミサイル10発と多連装ロケット砲18基の弾丸を発射している。西海岸沖の係争海域の国境付近を航行する船舶に対する脅迫も繰り返されている。
- 5月27日に偵察衛星を軌道に乗せる試みが失敗して以来、北朝鮮は挑発行為をエスカレートさせており、韓国与党は緊急対応を検討中。
- 韓国は、取り急ぎ2018年の南北平和協定の停止を発表した。
- 非武装地帯近くに設置された大型スピーカーからの北朝鮮への宣伝放送再開も検討している。その場合北朝鮮はこのスピーカー設置場所を砲撃する可能性がある。
- ロシアのウクライナ戦争が長引く中、ロシアは北朝鮮の砲弾と引き換えに極超音速ミサイルなど先端兵器技術の開発支援を北朝鮮に提供している。
- 国連安全保障理事会は、ロシアの拒否権行使のため全く機能していない。
- ロシアは北朝鮮に対し、(西側諸国を困らせることなら)やりたいことを何でもしてよいとゴーサインを出しているように見える。
- 金正恩は、ロシアからのこういった明確な支援を後ろ盾にして、より攻撃的な行動に出ている。
- 先代たちと同様の政策ではいつまでも南北統一は実現できないので、現状を打破するための代替戦略を模索している可能性が高い。
- 彼は人権保護、経済、紛争の平和的解決などには一切関心がないので、予想外の武力行使に打って出てくる可能性がある。西側諸国としては警戒を怠れない。
<日独経済日記>