ドイツ公共第二TV放送(ZDF)が毎月(1-2回)実施している世論調査「Politbarometer」が発表され、その中の政治家人気ランキング(トップ10)に重要な変化がありましたのでご紹介します。
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このランキングでは、メルケル時代はずっとメルケル氏がダントツトップを維持し、ショルツ政権誕生以降はショルツ氏がトップを走り続けてきていました。「ドイツの首相には国民の人気が一番高い人がなっている」という(何とも羨ましい)状況が長年にわたって続いていたわけです。
ところが今回、ハーベック経済・気候変動相兼副首相(Green共同党首、写真)が、僅差とはいえ、ショルツ首相(SPD)を抜いて政治家人気ランキングトップに躍り出ました。
直接背景分析が示されているわけではないので、あくまで私見ですが、Green共同党首であるハーベック氏とベアボック氏(外相)両方がウクライナ危機をきかっけに評価を大きく上げています。両氏とも重要閣僚として精力的に活動しているだけでなく、もともとロシア(と中国)に厳しいスタンスを主張してきたGreenのリーダーとして、その正当性が証明され頼もしく見えるため(相対的に)評価されているということなのではないかと思います。政治的に具体的な成果を上げて評価されているわけではありません。
まあ、2位に転落したとはいえ、ショルツ首相の評価は依然として非常に高いですし、副首相であるハーベック氏とのワン・ツー・フィニッシュですので、現在のドイツ信号機連立政権が高い人気を誇っていること自体には変わりありません。
ちなみに政党別支持率ではSPDとCDU/CSUがほぼ互角のトップ争いを続けています。
SPDはショルツ首相の総選挙での勝利での水準をキープ。
CDU/CSUはラシェット前党首下での支持率急落/選挙惨敗の後、メルツ新党首がやや盛り返している、という展開です。
Greenの支持率もウクライナ危機後(恐らく上述の理由で)若干盛り返しています。
(下添グラフはEmnid)