日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20220527 ドイツ政局アップデート(政権を不安定にするほどではないもののショルツ首相不人気)

最近のドイツ政党別支持率世論調査結果を見ると、

 

メルツ/ゼーダー党首率いるCDU/CSUが、20%台後半でトップ独走態勢を確立しつつあるのに対し、ショルツ首相率いるSPDは20%台前半でGreenに肉薄され、第2党の地位ですら危うくなりつつあります。

 

オンライン(リアルタイム)調査の結果でも同様です。



CDU/CSUとGreenが対ロシア(対中国も)での明確な強硬スタンスで国民の支持を集めているのに対し、

ショルツ首相/SPDは終始煮え切らない/後手後手の対応でドイツ国内だけでなく、海外からも批判を集めています。

 

ショルツ首相/SPDが過度に慎重に見えるのは以下の理由によるものといわれています:

  1. ドイツのうかつな一手がロシア側の暴走(化学/生物/戦略核兵器投入、対NATO開戦など)の引き金になってはならない(表向きの理由)
  2. ロシアがウクライナに完敗し(プーチンの面目が丸つぶれになり)、その後のロシアが不安定になってしまうとかえって困る(陰謀論的な穿った見方)

 

今月実施された二つの州議会選挙(SH州、NRW州)の両方で、黒緑(CDU+Green)連立政権が組成されそうなのも、こういった大きな流れと整合的です。

 

なお、それでもショルツ信号機政権(SPD+Green+FDP)としては、中から特段強い不協和音が出てきているわけではないので、この程度で政権運営が不安定になってしまうということはなさそうに思います。