ドイツ連銀の最新経済予測がそろそろ出るので、それを待っているところではあるのですが、現時点では11月9日に発表されたドイツ5賢人委員会の予測が最も権威ある予測です。
それによると、ドイツの四半期GDPは、今年Q4、来年Q1と小幅マイナス(数字はないのですが▲0.2%程度に見える)をプリントした後、年後半に向けて徐々に盛り返し、通年では前年比▲0.2%で着地すると予想されていました。
しかし、先日こちらでお伝えした通り、足元のデータの走りは、両四半期とも前期比▲0.5%より大きな落ち込みになりそうな感じになっています。
20221205 ドイツの冬場のマイナス成長が深そうな感じになってきました - 日独経済日記 (hatenablog.com)
景気のマイナスが深めになりそうだということで、最近ドイツの長期金利が(米国に連動している部分も大きいでしょうが)結構下がってきており....
ECBの利上げのターミナルレートも3%には届かない、という市場織り込みにまで下がってきました。
1m/3m/6m EURIBOR and SONIA Forward Curves | Chatham Financial
とはいえ、今朝発表になった10月鉱工業生産(Q4の最初の月)は前月比▲0.1%と市場予想(▲0.6~▲0.8%)を大きく上回り、Q3比+0.2%とそんなに弱いものではありませんでした。
コロナ後に 受注(青)>>生産(赤) という状態が長期間続いたため、受注残(黒)が過去最高にまで積み上がっていて、今後のクッションになるという構図も不変です。
鉱工業生産と高い相関をもつトラック輸送量も11月堅調です。
直近11月の輸出期待(上)、雇用意欲(下)もやや盛り返しており、Q4のGDPの現時点での感触、前期比▲0.5~▲0.8%よりはもう少し上で着地するのではないかと見ています。
ifo Exporterwartungen gestiegen (November 2022) | Fakten | ifo Institut
ifo Beschäftigungsbarometer gestiegen (November 2022) | Fakten | ifo Institut
★こちらにいろいろ動画(日本語/ドイツ語)をアップしていますので、よろしければ是非ご覧ください(本日はドイツ銀行業界についてアンチョコ的に解説しました)。