日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230301 本日よりドイツ電気料金ブレーキ発動

https://www.bundesregierung.de/breg-de/themen/stromkostenrechner

 


ドイツでは昨年エネルギー価格があまりにも高騰したため、何も対策が講じられなければ電気代やガス代を支払えなくなる家庭が続出するような状況でした。

そこでドイツ政府は電気とガス料金に2023 年 3 月 1 日から 2024 年 4 月 30 日まで上限を設定する(ブレーキをかける)ことにしました。

それがいよいよ本日スタートするわけですが、1月、2月分に遡ってこの上限が適用されますし、顧客側では一切手続きが必要ない(政府と供給業者の間で精算され、割り引かれた金額が引き落される)ので、我々顧客としては大変ありがたい話です。

但し、本来爆謄していたはずの電気・ガス代の一部が政府に肩代わりされるだけですので、支払金額は昨年より(よほど節約で頑張っていない限り)普通は増えることになります。

 

【電気料金ブレーキ効果のイメージ】

  • 2 人世帯の平均的年間電力消費量:3,196 キロワット時(kWh) 
  • 前年の平均電力単価:1 kWh あたり 32.87 セント
  • ⇒前年の年間電気代総額:約1,050 ユーロ
  • 電気料金の上限(40セント)は、前年消費量の 80%⇒2,557 kWhまで適用
    (昨年は50~60セントくらいまで上がっていた)
  • ⇒80%部分に対する今年の電気代:約1,023 ユーロ(ここまででほぼ前年並みになるので、残り20%部分には強い節約インセンティブが働く)
  • 今年も前年並みの消費量であれば、残り20%には電力の時価単価がそのまま適用され、請求に上乗せされる(200~300ユーロ程度か)

 

なお、ドイツ連銀の見立てによると、これらの「ブレーキ」がドイツの今年のインフレ率押し下げ幅は、電気料金ブレーキで▲0.5%、ガス料金ブレーキで▲1.0%となっています。但し、「ブレーキ」が打ち切られた後、2024年以降にまるまるその反動が出ることには注意が必要です。