日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230314 寿司テロ、ドイツでの報道ぶり

 

①スシロー株が急落した際は、「奇異な日本の事件」として2月3日にドイツ公共第一放送(ARD)で軽く採り上げられました。

www.tagesschau.de

 

  • 若者による回転寿司での非衛生ないたずら(醤油ボトル、スプーン、湯呑などをなめてから戻すなど)により、日本のレストランチェーンの株価が大きく下落。
  • 「sushi terror」動画は、過去数日間で数百万回再生されている。一部はかなり前に作成されたものの模様。
  • 衛生基準が高いことで知られる東アジアの国で多くの注目を集め、「こんなところにはもう行きたくない」という反応が急拡大。
  • 被害に遭った会社は、謝罪があっても「断固とした」法的措置を取る方針。
  • 醤油ボトル交換、カップ洗浄だけでなく、防止策として食事提供方法変更、監視カメラ設置などが進められている。
  • 多くのインターネットユーザーは、ハッシュタグ#saveSushiroなどで応援にも動いている。

 

 

②その後もテロが繰り返され、各種レストランの運営が大きく変わり始めているタイミングを捉えて、3月13日付ドイツ証券取引所新聞が以下のようにやや深めに掘り下げています。

 

https://www.boersen-zeitung.de/meinung-analyse/ekelerregende-sushi-terroristen-81617742-bf64-11ed-9776-f10c2095d2df?read=true

 

  • かつては回転寿司屋めぐりが、日本を訪れる人にとって最高の楽しみだった。しかし、寿司テロリスト対策のため、回転する寿司は消えようとしている。
  • 2月上旬の最初の事件後、回転中の魚を舐めたばかりの指で触ったり、辛いわさびを塗ったり、消毒液を吹きかけたりする模倣犯が続いた。
  • 衛生面に対する顧客の不安を払拭するため、醤油、香辛料、生姜は個別に提供され、回転ではなくタッチスクリーンによる個別注文にシフトしている。
  • 多くのベルトコンベアの回転が止まってしまったが、経営者としてはしばらくして騒ぎが収まれば、また再起動させたいと願っているはず。
  • 回転寿司は独自のセールスポイントを失い、普通の寿司屋になってしまった。
  • くら寿司では、客の異常行動をカメラとAIで監視することにより、回転を維持しつつ、悪質ないたずらを抑止する計画。
  • 餃子の王将は、醤油や調味料は客が要求した場合のみテーブルに置くようにした。
  • 一蘭は、カウンターやテーブルに積まれた無料の水の瓶を撤去した。
  • 少数の軽率な個人による事件が、安価で人気のある料理の食べ方を根本的に変えてしまった。
  • 3人の容疑者(19歳と21歳の男性2人と15歳の少女)が先週逮捕された。営業妨害で有罪になれば、少なくとも大人たちは最大3年の禁固刑に処される。

 

あまりにも幼稚でばかばかしい事件なので、ドイツメディアがこんなものを騒ぎ立てることはありませんが、日本食がもつ圧倒的な信頼感が棄損され、せっかく戻りつつあるインバウンドの客足まで遠のいてしまいかねないのがとても心配です。