日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230314 ドイツ最後のデパートにブラックマンデー

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昨日(月曜日)は銀行への信用不安で欧州株安がきつくなりましたが、昨日明らかになったこちらの百貨店リストラ計画の方が従業員にとってまさに「ブラックマンデー」になったとされています。

 

ガレリア・カールシュタット・カウフホーフ(本社エッセン)は現存するドイツ最後の大型百貨店なのですが、もうずっと前から経営危機が続いており、リストラを繰り返しています。今回も大規模リストラ計画が発表されました。

 

●リストラ計画プレスリリース(独語)~極力前向きな書きぶりがかえって哀しい

https://www.galeria.de/unternehmen/presse/presseinfo-08

①ガレリアはより安全な未来への道筋を定めるため、支店ネットワークを再構築

77店舗を維持し、約11,000人の雇用を確保

 

●この発表を受けたドイツメディアの報道ぶり

  • ドイツ最後の大規模百貨店グループであるガレリア・カールシュタット・カウフホーフは、現有129店舗のうち52 店の閉鎖を計画。
  • 従業員は4分の1以上削減。店舗で約4,000人(百貨店はアルバイトが多いため、正社員で約3,100人に相当)、管理部門で400人以上を見込む。労組は5,000人以上になると警告。
  • 退職金は月給の2か月分。職業訓練、転職支援、生活費補助を担うTransfergesellscahftが設立される。
  • 閉鎖が決まった店舗でも、今後の大家との条件交渉次第では生き残る可能性はある。
  • 残る77店舗による再生も容易ではない。3月27日の債権者会議でゴーイング コンサーンのコンセプトが決定される見込み。
  • ガレリアは2021年(コロナ)と2022 年(ウクライナ)に、連邦経済安定化基金から計6億8,000 万ユーロ(約1千億円相当)の公的支援を受けている。最終的に破綻してこれが焦げ付けば大きな政治問題になりうる。

 

地元有力紙ライニッシェポスト(RP)の緊急オンラインアンケートによると、「従来型のデパートで買い物したい」との回答は半分をやや下回っています(現時点では43%)。やはり、時代と共にネット販売や専門店に客は流れて行っているようです。

  

 

私が最も愛している地元(デュッセルドルフ、シャドー通り)の店舗は、前回リストラ時にはかろうじて生き残ったのですが、残念ながら今回の閉鎖リストに載っています。来年1月末をもって閉鎖され、約100人が解雇されるようです。閉店までの間、精いっぱい応援しよう(極力ここで買ってあげよう)と思っています。