フランクフルトにSVBのドイツ支店があるものの、ドイツに預金取引はなく「ドイツに影響なし」とされていますが、念のため、当地で報道されている内容等について記録しておきます。
●連邦金融監督庁 (BaFin)プレスリリース
- 3月13日付けで、米シリコンバレー銀行 (SVB)ドイツ支店(@フランクフルト)に対し、顧客取引停止(モラトリアム)を命じる。
- 昨年末時点での同支店総資産は7億8920万ユーロ(約1100億円相当)。2018年5月30日からドイツに住所を有し、ドイツで融資業務を行っているが、預金業務はないため、ドイツ預金保険制度の負担なし。
- 金融システムの安定性を脅かすものではない。
●ドイツ主要メディアの報道ぶり
- BaFin によると、ドイツのSVB支店は貸付業務を行っているが、預金業務は行っていない。総資産も比較的小さく、今回のモラトリアムによるドイツへの影響は大きくない。
- ただし、多くのドイツの新興企業は米国と英国の SVB の顧客であり、当初預金にアクセスできずに困っていた(今は大丈夫、かつドイツ国内銀行にも取引あり)。
- ドイツ金融監督当局は米国と英国で起きていることに無関心であってはならない。
- ドイツ連銀内にも金融危機対策チームが組成された模様。
- ドイツおよびヨーロッパ諸国の財務相は、2008年の金融危機とは全く異なり、欧州銀行システムは安全と宣言している。
- 格付機関ムーディーズは、ヨーロッパの銀行が、債券ポートフォリオの売却による損失計上を強いられる可能性は低い(保有債券の多くが短めの国債、金利上昇による含み損はさほど大きくない)と評価。
- またしても米国の金融プレーヤーによる無責任な行動が大混乱を引き起こしている。このせいでインフレ退治に失敗してしまうのことが大変心配。