昨日の日銀政策決定会合についてのドイツ取引所新聞の書きぶりについて簡単にご紹介します。コンパクトながら、引用を含めて重要な情報がぎゅっと濃縮されてうまくまとまっていると思いました。
- ヘッドラインは「日銀、市場に逆らう」
- 12月に「パンドラの箱」を開けておきながら今回は市場の期待を裏切った/政策変更は不可避なのにただ決定を遅らせている、という書きぶり
- 市場の反応(株高・債券高・円高など)や展望レポートの数字(インフレ上方修正など)を一通り紹介
- 黒田総裁の以下のコメントをチョイスして紹介:
「中央銀行と金融市場が同じ考えを持つ必要はない。」(大きな字で別枠引用)
「YCCは十分持続可能。」
「市場の機能は将来改善される。」
「中銀というものは会合前に市場に何をするかを伝えるものではない。」 - 以下の専門家コメントをチョイスして紹介:
①Nord / LBアナリスト Tobias Basse
「共通担保オペ拡充は巧妙な手品だ。」
②Capital Economics日本担当エコノミスト Marcel Thieliant
「現状の金融政策はサステナブルではないので、新総裁が4月に修正すると予想。黒田総裁は記録的な10年の任期を終えて引退し、政府は2月10日に後継者を議会に提示する可能性がある。」
③大和証券チーフマーケットエコノミスト 岩下真理
「黒田バズーカは終わった。新総裁がゼロからからやり直すだろう。」
④Oxford Economicsシニアエコノミスト、山口範大
「日銀が10年国債利回り上限を(現体制下でも)+0.75~1%に引き上げるリスクがまだあると見ている。」
なお、こちらのリンクから
https://daten.boersen-zeitung.de/download_jsa.php?variant=bz
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<日銀関連日本語報道>
【コラム】黒田総裁の「ヘッドフェイク」にご用心-リーディーとモス - Bloomberg
「日銀の全面降伏」不可避か-政策修正見越し投資家容赦ない圧力 - Bloomberg