ドイツ連銀3月月報に、2021年のドイツ企業財務状況についてのマクロ分析が掲載されていましたので、そのエッセンスをご紹介します(ドイツ語との対比など細かい説明は割愛しますのでご了承ください)。
- 2021年は、ウクライナ戦争/エネルギー問題勃発前のコロナ後回復局面
- 売上高利益率は大きく上昇(但し2022年は若干低下見込み)
- エネルギー危機前のエネルギー集約型企業の財務は健全だった(後半)
- インフレのせいで、物件費・人件費とも大幅に上昇
- 債権・債務とも期間の短縮化が進む
- サプライチェーンやコロナへの対応で固定資産(有形・無形とも)増加
- 自己資本比率は高水準で安定
<PL>
粗利率は34.3%、売上高税前利益率は5.1%
<CF>
債権・債務とも長期が減り短期が増加。在庫は大きく積み増し。
<BS>
自己資本比率は30.9%(1835.9÷5940.3)。売上は総資産の1.222倍
<エネルギー集約度>
高いのは、①化学、②木材・紙、③金属、④物流、⑤プラスチック
<売上高利益率(縦軸)vs エネルギー集約度(横軸)>
右にいくほど(ガラス、化学など)2022年の利益率低下幅が大きくなる見込み
幸いエネルギー集約度の高いセクターは流動性も資本も厚かった
★その後、ドイツ連銀から時系列データベースが発表されたので、グラフにしておきました。