日独経済日記

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20230318 ドイツ企業の財務状況(2022年)

https://www.bundesbank.de/resource/blob/920564/3a4da07c9388556019fb8e296fcde7bb/mL/2023-12-ertragslage-data.pdf

 

本日発表されたドイツ連銀月12月報に、2022年のドイツ企業(除く金融)の財務状況についてのマクロ分析が掲載されていましたので、そのエッセンスをごくごく簡潔にまとめてご紹介します。

 

<ポイント>

  • 2022年は、企業がエネルギー危機とインフレへの対応に追われた年
  • 企業は価格転嫁に成功(売上増加)し、利益率はあまり低下せず
  • エネルギー危機(コスト高)の影響は化学・製薬で顕著(その他は軽微)
  • 利上げによる利払い負担増の影響は2024年以降に顕在化する見込み
  • 今のところ企業財務は利上げに対して相応の抵抗力を発揮
  • 2023年の企業財務(データは来年の今頃発表)については、景気低迷、金利上昇、輸出低迷、エネルギーコスト+賃金上昇の影響が心配


<PL>

売上は前年比+22.2%と大幅増。価格転嫁に成功。
粗利率は31.3%(前年34.3%)、売上高税前利益率は4.5%(同5.1%)とあまり落ちず。
売上対比で人件費は15%、物件費(売上原価含む)は69%、利払い負担は0.9%というレベル感



<CF>

外部(銀行など)からの調達(特に短期)増で、投資の内部調達比率が90.2%に低下。


<BS>

自己資本比率は29.5%(前年の30.7%から低下も水準としてはまだ高い)。
売上は総資産の1.348倍(前年1.223倍より高回転)。

 

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