日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20231224 独経済専門誌(Wiwo)の2024年ドイツ経済展望

ドイツ経済専門誌「Wirtschaftwoche」(ヴィルトシャフト・ヴォッヘ)の2024年経済展望特集部分のエッセンスをご紹介します。

https://www.wiwo.de/my/politik/konjunktur/konjunkturausblick-das-sind-2024-die-groessten-risiken-und-chancen-fuer-die-deutsche-wirtschaft/29569180.html

  • 多くのドイツ企業が、投資をするなら海外でと考え始めている。
  • 高どまるエネルギーコスト、激しく上昇する賃金/人手不足、経済政策迷走、高い金利と税・社保負担、官僚主義などが産業立地としての不満の対象。
  • このままでは供給サイドが先細る一方になる。
  • 内外主要機関の来年の実質GDP予想は概ね+0.5~1.0%ながら、コメルツ銀は▲0.3%、ドイツ銀は▲0.2%とかなり悲観的。

  • 急速かつ大幅な利上げ(2022年7月から+450bp)で、幸いインフレは沈静化しつつあるが、買い手の価格交渉力回復が一部の企業にとっては逆風。
  • エネルギー価格抑制策終了、各種環境関連コスト引き上げなどによるコスト増、購買力低下が来年から始まる。
  • 紅海ルートの事実上の封鎖に伴うサプライ障害/コスト上昇も大きなリスク。
  • 高い賃金上昇(ユーロ圏Q4+6%)も続くので、ECBの利下げは遅れ気味になり、景気浮揚に効いてくるのは2025年以降となる。
  • かなりの不景気ながらも、来年Q1に新規採用を計画している企業が40%(現状維持が39%)であるのに対し、人員削減を計画しているのはわずか16%に留まる。

  

  • 雇用が底堅い中、インフレ低下と賃金上昇による個人消費復活が期待されるものの、消費センチメントはまだまだ悪く、購買力復元には思っていたより時間がかかっている
  • 住宅はコスト高と金利上昇で悲惨な状態継続。経済政策迷走に伴う不透明感もあり、設備投資も弱そう。
  • 利上げ効果よる米国の今後の減速、不動産バブル崩壊による中国の低迷継続で、頼みの輸出も当面期待薄
  • 中東戦火拡大、台湾有事、トランプ再選、等ともなればもう最悪。
  • ドイツ産業立地の魅力復元は喫緊の課題である。

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