先ほどifoから発表された在宅勤務に関する調査結果がなかなか興味深かったので、そのポイントを以下ご紹介します。
- 在宅勤務により使われなくなったオフィススペースの割合が、ドイツではコロナ前の3倍に増えている(全産業ベースで2019年の4.6%⇒今年4月は12.3%)。
- ただし業種によって隔たりが大きく、そもそも在宅勤務が難しい小売や建設ではもともと低水準かつその後もほとんど変動がない。
- サービス業ではもともと6.2%と高水準なところから、16.8%へと大きく上昇しているが、特にIT、広告・マーケティング、経営コンサルティングで大幅増。
- 製造業では3.1%から9.6%への増加となっているが、特に製薬で大幅増。
- ドイツの従業員の約4分の1が今なお定期的に在宅勤務を実施中。
- 一部の企業は、出社社員の個人的交流を促進するために、空いたスペースをコワーキングスペースに変えている。
- コスト削減のために、空いたスペース自体を削減する動きも広まっている。
- 金利と建設コストの上昇によりすでに苦境に陥っているドイツ不動産業界にとって、このオフィス削減の動きは重荷。特にオフィスの多い都心部で苦しい。
●在宅勤務のせいで使われていないオフィススペース割合(%)
上から順に、全産業、サービス業、製造業、卸売業、小売業、建設業
青:今年4月、灰:2019年
https://www.ifo.de/fakten/2023-05-15/dreimal-mehr-ungenutzte-bueros-als-vor-corona