日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20231025 10月ifo景況指数について

 

先ほど10月ifo景況指数が発表され、上図(+下図赤線)の通り、予想をやや上回る改善を見せていました。原油価格が大して上がっていないこともあり、中東情勢の悪影響は少なくとも今のところ限定的なようです。

https://www.ifo.de/fakten/2023-10-25/ifo-geschaeftsklimaindex-gestiegen-oktober-2023

 

水準はまだまだ低いとはいえ、現況(黒)、期待(青)ともそろって上向きで、ようやく底を打ったかなという感じにはなっています。

     

業種別で見ると、上記のそこはかとない底打ち感はサービス業(右上)での改善に支えられていることが判ります。それ以外の製造業(左上)、建設業(右下)、小売・卸売業(左下)は引き続き全体的に下向きかつ深いマイナス圏内に留まっています。

 

景気サイクル的<縦軸:期待、横軸:現況>に見ても、リセッション領域(第3象限)からの脱出はまだまだ遠い先といった感じです。


業種別ヒートマップを確認すると、前月まで好況(赤色)だった旅行や娯楽・エンタメ関連がそうでなくなってしまい、好況はその他車両(30:恐らく航空機や電車)のみとなっています。

https://www.ifo.de/sites/default/files/secure/umfragen-gsk/ku-202310/ifo-geschaeftsklima-heatmap-20231025.pdf



●ちなみに、ifo研は一昨日ドイツにおける資金調達環境についての四半期調査結果を発表しました。

下のグラフは「銀行からの借入が厳しい」と感じている企業の割合(赤:全体、紺:製造業、青:建設業、水色:サービス業、黒:卸売業、灰:小売業)の推移を示していますが、ECBの利上げと共に銀行の融資スタンスは厳しくなり今や3割程度の企業がその厳しさを訴えています。

ifo景況指数などの景気先行指標の低迷が長期化しているため、企業向け貸し倒れリスクの高まりを銀行がますます警戒するようになっているということだと思われます。

米国と違って利上げがかなり効いて、ユーロ圏/ドイツの景気も大きく減速していることから、ECBの追加利上げはさすがに必要ないだろうということにもなりそうです。

 

https://www.ifo.de/fakten/2023-10-23/banken-zurueckhaltender-bei-krediten

 

 

●第3四半期(7-9月期)GDP(10月31日速報発表)についてはドイツ連銀も先月の月報から「前期比マイナス」を覚悟しているようですが、

ドイツ経済省のNOWCASTは前期比▲0.7%とかなり悲観的な一方、

https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Schlaglichter-der-Wirtschaftspolitik/2023/11/13-konjunktur-bip-nowcast.html

 

ifoCASTは前期比▲0.38%(10/25時点)とほぼ市場予想並みとなっています。

https://www.ifo.de/en/ifoCAST

 

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