●直近(今年6月分)のドイツ製造業受注は、前月比+7.0%と車以外の輸送機器の大口受注で妙に強かった一方、鉱工業生産は前月比▲1.5%と非常に弱く、全体感が判りにくくなっていますが、
冒頭の図の通り「新規受注(青)は均せば横ばいまで一時的に持ち直し、受注残(黒)は引き続き高水準ながらも、生産(赤:GDPに直結)は軟調が続いている」という状況と整理できます。
●先行きについては、製造業企業の生産計画(ifo調査)は下図の通り軟調であり。。。。
●頼みの輸出も急回復は期待薄で。。。。
https://www.ifo.de/fakten/2023-07-26/ifo-exporterwartungen-minimal-gesunken-juli-2023
●ifo、PMIに続いてZEW(赤:現況、青:期待)も下向きで。。。。
●経済全体としての景気サイクル(ifo景況指数)もリセッション領域真っ只中にあることから、今年下半期も経済停滞が継続する可能性が高いことを示唆しています。
https://www.ifo.de/fakten/2023-07-25/ifo-geschaeftsklimaindex-sinkt-zum-dritten-mal-folge-juli-2023
●なお、製造業における原材料不足は着実に改善に改善に向かっているものの、今年7月時点で原材料調達に問題を抱える企業の割合はまだ29.5%(6月:31.9%)残っています。
車:60.6%、IT機器:51.7%、機械:45.8%、電機:38.3%の4業種で高い。
https://www.ifo.de/fakten/2023-08-08/materialengpaesse-der-industrie-weiter-ruecklaeufig
●ドイツ連銀が毎週月曜夕刻に発表している週次経済活動指数(WAI)は、先週まで非常に強かったのですが、今週大きく軟化しています(それでも四半期GDP換算で前期比+0.5%ペースとまだ強い水準です)。
https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex