中国やインド、米国、欧州諸国など40カ国以上が参加(ロシアは招聘されず)し、サウジ主催で開催されたウクライナ和平会議についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。
- 「ロシアによるウクライナ侵略戦争の終結に対する関心が高まっている」という重要なシグナルを発することができた。
- この戦争はウクライナとロシアの間だけの問題ではなく、またヨーロッパや「西側」だけの問題でもない。この戦争は今や全世界の関心事となった。
- ロシアが自分に味方してくれると思っていた人々が、今や和平の可能性について一緒に話し合っている。この変化は大きい。
- 40カ国以上が出席し、6月末にコペンハーゲンで開催された第1回会合よりも大幅に増えている。
- 侵略者ロシア抜きでも、平和への道の模索が可能であることも示された。
- 今回の和平会議では、公式宣言や和平に向けた行程表など具体的な成果は提示できなかった。
- しかし、さらなる議論を行うためにこのような会合を続けることで合意した。
- 将来の和平計画には、停戦、国連監視下での和平交渉開始、捕虜交換などが含まれる可能性がある。
- 今回から中国が参加(石油で依存するサウジに配慮)したことは注目に値する。中国はプーチン大統領に撤退説得のための最大の影響力を有する。
- 逆に言うと、中国の介入抜きでの和平交渉開始は想像しがたい。
- 武力で征服した領土の編入は絶対に許さない、という国際社会の団結した圧力が和平交渉には必要条件。
- 遅かれ早かれ、ロシアを交渉に含めることは避けられない。ブラジルはすでにそれを要求している。
- 主催国はサウジは明らかに勝者であり、多くのポイントを稼いだ。
- サウジは米国の同盟国として欧州と良好な関係を持つ一方、ロシアとも緊密な関係にあり、間違いなく有力な調停者としてのポテンシャルをもっている。
- サウジアラビアは人権軽視で国際的に傷ついたイメージを改善しようとしている。
- ゼレンスキー大統領にとって、グローバル・サウスを説得するチャンスをもらえたことは大きい。
- ウクライナには西側の支援者しかいないというロシアのプロパガンダへの反証ともなっている。
- 但し、中国が参加国の間にロシア寄りの影響力を行使しようとしている点については警戒が必要。
- このような状況下で、次に提示される和平提案にはかなりの重みがあり、プーチン大統領がそれを無視するには大きな代償を伴うようになる。
- サウジアラビアはジャーナリストに対して好意的でなく、情報の開示が極端に少ないので、今回の記者たちの仕事(事実確認など)はかなり大変だった。
- モスクワはサウジアラビアから会談の経過について知らされた模様。
- サウジは「国家には友人などいない。国益あるのみ。」ということわざを全力で実践している。
<日本語報道例>