プリゴジン氏がモスクワへの進軍を停止し、ワグネルの蜂起が終息したことについてのドイツメディアの報道ぶり(当然ながら終日特大トップニュースとして扱われていました)は以下の通りです。
- 思ったより早く蜂起断念となったのは、プリゴジン氏が当初期待していたほどロシア国軍や国民の間に支持が広がらなかったため。
- 事態が緊迫している間、ロシアの政治家の多くが、プーチンへの忠誠を表明するか、沈黙を守っていた。これまで公然とプリゴジンを支持してきた人々でさえ、距離を置いていた。
- 反逆者はすべて処罰すると断言していたプーチン大統領は、今後国民に対して釈明する必要がある。
- 特に、罪に問わないままプリゴジン氏の亡命を許したことは、プーチン大統領の権威を大きく傷つけた。
- ロシア軍の士気は明らかに低下しており、ウクライナ軍にとっては絶好の反撃チャンスである(実際にさっそく南部で戦果を挙げている)。
- ロシアの弱体化は誰にとっても大きな利益になる。
- モスクワを守るためにロシア軍の一部が前線から撤退する前にプリゴジンの蜂起が終わってしまったのは残念だ。
- 一連の事件がロシアの世論にどう影響するか興味深い。ロシア軍の行動や対ウクライナ戦争に疑問を抱く国民が増える可能性もある。
- プリゴジンが敗者としてロシアを去るのか、それとも勝者としてロシアを去るのかはまだ明らかではない。ひっそりと引退するとは考えにくい。
- 特にアフリカでロシアの利益を代表する活動をしてきたワグネル軍の海外任務の扱いが将来どうなるのか不透明になってきた。
- ワグネル軍は今後ロシア正規軍に接収されるので、これまでのように凶暴な戦闘部隊ではなくなるだろう。
- 米諜報機関はワグネルの蜂起(武器・弾薬類の不自然な蓄積)を事前に把握していた。
- ショルツ、バイデン、マクロン、スナクの4者間で、6月24日午後の約45分間、情報・意見の交換、今後の方針すり合わせを実施した。
- ロシアの一般市民を巻き込むような大規模な流血が回避されたことは朗報。
- 窮地に追い込まれればさすがのプーチンも、交渉して譲歩することが証明された。したがって、ウクライナでもロシア軍を可能な限り軍事的に追い込み、交渉が可能な瞬間を見逃さないことが重要。そのためにもクレムリンとの通信チャネルを維持する必要がある。
- ベラルーシの独裁者ルカシェンコが仲介役を務めているということ自体が異常。極度のストレスによる体調不良から回復し、恐るべき生存本能を発揮した。
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(事態収束前)反攻を開始したばかりの最前線のウクライナ兵士たちの士気を高める効果はあるが、ロシアが内乱状態に陥り、核兵器が危険な組織の手に渡るとかえって危険になる。どのような形で収束しても、プーチンには大きな打撃。
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