日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230524 最近の円安ユーロ高について

 
上図の通り、足元のユーロ・円為替レート(EUR/JPY)は、1ユーロほぼ150円と、ユーロ発足以来のレンジのかなり上の方に位置しています。
2014年12月の高値を抜けつつあるので、2008年夏の170円に向けて一段と上昇する可能性はあります。
この円安ユーロ高をドライブしてきたのは昨年来のECB大幅利上げです。
下図は2年物国債利回りの日独比較(ドイツ:青、日本:緑)ですが、日独金利差が大きく拡大し、市場がユーロ回円売りを選好しやすくなっていることが判ります。

https://tradingeconomics.com/germany/2-year-note-yield

 

しかし、ECBの利上げは最終局面に差し掛かっています。恐らく6/15と7/27の次の2回の理事会でそれぞれ0.25%ずつ上げた後は、当面据え置きで様子見に入るものと思われます。上図青線のドイツ2年金利が既に頭打ちになりつつあるのがその証拠です。年後半にかけて円安ユーロ高圧力は弱まる可能性が高いということになります。

 

物価水準から見ると、ユーロは明らかに円に対して過大評価となっています。

下表の通り、国際通貨基金購買力平価は132円、英エコノミスト誌のビッグマック指数では92円となっており、現在の150円とかけ離れています。

www.economist.com

 
銀行でユーロを円に換えて日本宛送金をする際には、送金額の0.5%程度の手数料(送金+為替)だけでなく結構な手間と時間がかかりますが、どのみち日本に送るお金が溜まっているような状況でしたら、(できればタイミングは3回程度に分割して)送金に踏み切って悔いのないレベルなのではないかと思っています。
 
なお、上述のECB利上げのおかげで定期預金金利が相応につくようになっていますので、送金予定のないある程度まとまったお金(ユーロ)はしっかり定期にして金利を稼ぐことをお勧めします。