日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230525 ドイツQ1GDP下方修正でリセッション入り

https://www.destatis.de/DE/Presse/Pressemitteilungen/2023/05/PD23_203_811.html

 

先ほどドイツ連邦統計局から第1四半期(1~3月)実質GDP確報の発表があり、前期比▲0.3%と、速報のプラスゼロから0.3%も下方修正されていました。

速報発表後に集計された3月鉱工業生産の大幅マイナス(前月比▲3.4%)が影響した模様です。

上図の通り、昨年Q4も▲0.5%とマイナス成長でしたので、事後的に2四半期連続の毎セス成長:テクニカルリセッションといういことになりました。

前年同期比でも▲0.2%とマイナスに転じ、これは2021年Q1以来のことです。

但し前年同期比の名目は+6.0%もありますので、完全にインフレに食われている格好です。

Q1GDP前期比は、ユーロ圏+0.1%、EU27+0.2%、フランス+0.2%、イタリア+0.5%、スペイン+0.5%ですので、ユーロ圏の28.8%、EU27の24.5%ものウェートを占める最大の経済大国ドイツが周辺諸国の足をかなり引っ張っているということになりなります。

ドイツの潜在成長率は、コロナ前まで1%前半くらいあったのですが、最近は0.8~0.9%と見積もられています。四半期ベースの前期比でプラス0.2%強が実力ということになります。この水準だとちょっとした(在庫などの)ブレでも、日本と同様に簡単に前期比マイナスが出るようになります。実際去年も4四半期中2四半期は前期比マイナスとなっていました。

日本の潜在成長率が年率でゼロから0.5%ですので、それよりは遥かにマシではありますが、ドイツでも少子高齢化が進んでおり、労働投入が2025年以降はマイナスに転じる見込みとなっています。

なお、Q2のGDPは、速報7/28、確報8/25発表予定。前期比+0.3%の市場予想となっています。

<前年同期比実質>:個人消費▲1.0%、投資+0.8%、在庫(寄与度)+1.1%。

 

<ご参考:ドイツの産業別GDPウェート、2022年>

 

<本件日本語報道例>

www.bloomberg.co.jp