本日今年ドイツがマイナス成長に終わるという予想が二つ(上図緑枠)出てきましたので、その内容をざっとご紹介します。
①ハンブルク世界経済研究所(HWWI)
今年のドイツGDPが▲0.5%ものマイナス成長になるという悲観的な予測を繰り出しています。
今年第1四半期が前期比▲0.3%と予想以上に低調だった上、ECBが高どまるインフレと今後の賃金大幅上昇のため追加利上げが必要なので、景気はかなり悪くなりそうだという見立てです。
高いインフレ(GDPデフレータ+5.8%、HICP+6.3%)で成長が食われてしまうため、ドイツ連邦政府の今年+0.4%、来年+1.6%成長という4月の見通し(冒頭図中央)よりかなり弱気な見立てとなっています。
インフレの長期高止まりにより実質所得と貯蓄が減少するため、個人消費は今年▲1.4%と低迷し、足元の高い賃上げによる実質賃金回復で個人消費が戻るのは来年になる、と説明されています。
https://issuu.com/oecd.publishing/docs/germany-oecd-economic-outlook-june-2023?fr=sNDI0MjUwNTY2MTA
OECD内で見てもドイツは珍しいマイナス成長となっています。
https://www.oecd.org/economic-outlook/june-2023/
その後発表されている経済統計もどちらかというと弱めなので、マイナス成長のリスクは無視できないと思いますが、
https://tradingeconomics.com/germany/indicators
ドイツ連銀のGDPナウキャスト(WAI)が最近急回復し、GDP:3m/3mベースで前期比+0.8%とかなり強くなっていますので、過度の悲観は禁物と個人的には思っています。
https://www.bundesbank.de/de/statistiken/konjunktur-und-preise/woechentlicher-aktivitaetsindex