独立専門家グループによるドイツにおける反イスラムについての最終報告書が、以下の通り警鐘を鳴らしています。
- ドイツでは2人に1人が反イスラムに共感している。
- 犯罪やテロなどを通じたドイツ社会に対する脅威としての認識が広がっている。
- 昨年は898件もの反イスラム事件が発生。
- スカーフでイスラム教徒と分かる女性に対する敵対行為の報告が特に多い。
- イスラム教徒への敵対行為に関する専門家評議会と連邦委員の設置による対策が必要。
当該報告書についてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。
- 多くのドイツ人が、後進的、暴力的、時代遅れなどといった反イスラム的烙印に共感している。
- 極右勢力は、過去何十年にもわたり、こういったイスラムに対する嫌悪を利用して台頭してきた。
- 反ユダヤ主義も含めた移民全般に対する憎悪が、中産階級からも支持され始めている。
- スカーフをかぶっている女性は、女性解放(ミニスカート)のために戦った世代を挑発しているように見えてしまっている。
- しかしスカーフをかぶる女性が皆、イデオロギー的に盲目でけしからん、と決めつけるのはあまりにも傲慢である。
- まずはスカーフを身に着けている女性が言葉上の/身体的な攻撃を恐れる必要のない社会に変える必要がある。
- イスラム教徒の子供が、学校・仕事・住まい探しなどで苦労していることは否定できない。
- イスラム教徒が警察に疑われやすい状況も変わっていない。
- ドイツ国籍を取得してどんなに社会に貢献しているイスラム教徒ですら、ドイツ社会に完全に溶け込んでいるとは言い難い。
- 警察官や教師に対する研修は、イスラム教徒に対する理解を高める上で有効だろう。
- 反イスラム主義と闘うための委員の設置も、イスラム教徒に対する政治的支持を明確にする効果がある。特に極右が台頭している地域で重要。
- (前項に対する反対意見)東ドイツは30年以上前から反人種差別担当委員を設置しているが、東ドイツ市民に対する差別は全く改善していない。
- イスラム教徒と非イスラム教徒の間の交流を深めるためのフォーラムの方が、より有益ではないか。
- 若者は高齢者に比べて反イスラム的傾向が薄い。恐らく多くのイスラム教徒と自然に触れあいながら育ったため。
- イスラムがドイツの一部であることは疑いようのない現実。排除するのではなく、うまく統合を進めてしてゆくしかない。