BRICS首脳会議が、本日(8月22日)から南アフリカで始まったことについてのドイツメディアの報道ぶりは以下の通りです。
- BRICSの5カ国で、世界の人口の4割、GDPの4分の1を占める。
- これまでのBRICS会合は、一般的な経済協力の話が中心だったが、今回は新しい世界秩序/多極化、西側諸国(特に米国)支配からの脱却がメインテーマになっている。
- 特にグループ拡大(BRICSプラス)の可能性が世界の注目を集めている。
- 南アフリカ外相によると、約40カ国が加盟に関心を示しており、そのうち23カ国(エジプト、ナイジェリア、アルゼンチン、ボリビア、タイ、インドネシア、サウジアラビア、UAEなど)が既に具体的な検討対象とのこと。
- 中国経済がブラジル、ロシア、インド、南アフリカの経済を合わせたよりも大きいという理由で、中国がグループを実質的に支配している。
- 一方、インド、ブラジル、南南アフリカは中国への対抗心をむき出しにしている。
- 習近平はBRICS拡大と通じて国際政治における自らの影響力強化を狙っている。中国は、戦略的プロジェクトを持っている小国でブリックスを埋め尽くしたいと考えている。
- ロシアとしては、ウクライナ戦争を支持しているベラルーシ、イラン、ベネズエラを一刻も早くBRICSに加盟させたい。
- しかしインド、ブラジル、南アフリカはそれらに気づいているため、新規加盟プロセスを極力遅らせようとしている。
- グループ拡大においては、まず加盟基準について合意する必要がある。
- イランやキューバなども加盟に関心を表明しているが、人権遵守を支持しない国の加盟にはブラジルと南アフリカの抵抗大。
- ロシアとしては、ドル支配からの脱却のため、BRICS共通通貨導入を推進したい意向。
- 中国も主要な石油輸入国としての地位を利用し、石油取引の米ドル決済をできるだけ減らしたい。
- BRICS諸国は自国通貨による国際取引シェア拡大を目指している。
- 共通通貨の実現は容易でないが、米ドル支配を押し戻すことでは思惑が一致している。
- 国連やWTOなどの国際機関はほぼ機能不全に陥っている。BRICS諸国としてはこの状況を国際的影響力増大のチャンスとして活かしたい。
- インドは、中国と米国を巧みに両てんびんにかけながら、自国の国益をしたたかに追求している。
- 経済が厳しい状況にある分、中国はより反G7外交に注力しようとするはず。西側諸国としては警戒を怠れない。
<日本語報道例>
<G7とBRICSのCDPシェア推移>
<国際重要ニュースのドイツメディアでの報道ぶり>