先ほどドイツの1月雇用統計が発表され、季調済失業者数は前月比▲2千人と、市場予想(+10千人強)よりややや強い内容となっていました。
ちなみに米雇用統計からの連想で、市場の一部ではこちらがヘッドラインであるかのように勘違いされていますが、ドイツでは全く重視されていませんのでご注意ください(季節調整が難しい欧州では前年同期比が重視される)。
●失業率~失業率上昇の大半は2022年6月からのウクライナ難民カウント開始によるもの。連邦雇用庁は「経済低迷の割に良好」との評価。
国際労働機関(ILO)ベースでは3.1%と超定位安定推移。他国比でもかなりの優等生ぶり(EU内で下から4番目)。
https://tradingeconomics.com/germany/harmonised-unemployment-rate
<以下◆3つはドイツ連邦雇用庁月報より抽出したもの>
◆就業者数~じりじりと上昇し、過去最高水準の更新が続いている(季調後、12月前月比+24千/11月+27千/10月+13千人)。
◆操短~低水準ながらも11月181千人(10月170千/9月147千人)にやや増加。今後の人切りの予兆になりうるので要注視。
◆求人数~新規流入(下線)がじりじり減少する中、求人残高(上)もコロナ前をやや下回る水準にまで減少。
●ifo雇用バロメータ~サービス以外の不振継続で、全体としても一段と悪化
https://www.ifo.de/en/facts/2024-01-29/ifo-employment-barometer-falls-january-2024
●IAB労働市場バロメータ~こちらは上記と異なり底打ちの兆し(共にドイツ当局が最も重視する雇用先行指標)。新規求人需要が減って、不況業種から染み出た失業(橙)者にとってはスキルもマッチしづらくて厳しいが、人手不足は続いているので既存の雇用(緑)はしっかり維持されているというバランス継続。
https://iab.de/daten/iab-arbeitsmarktbarometer/
●IAB人手不足度指数~人手不足感は根強いものの、ほぼコロナ前の水準までは緩和。
https://iab.de/daten/arbeitskraefteknappheits-index-3/
●労使間賃金交渉一覧~労組は今年賃上げを最優先する方針ながら、週休3日制の広がりなど時短の動きについても要警戒。
<ドイツ経済にご関心ある方は、是非こちらも併せてどうぞ>