掲題についての(トランプ政権2.0の誕生を誰よりも恐れるドイツの)当地メディアの報道ぶりは以下の通り(トランプ勝利を民主主義への脅威として描いているのは、欧州共通の現象):
- ニューヨークの口止め料裁判の陪審は、ごく短い審議の後、トランプ氏を34の罪状すべてで有罪と認定した。
- これは当然のことであり、常識的にこれ以外の判断はありえない。
- 大統領経験者としては初の有罪評決であり、歴史的裁判における歴史的評決と言える。
- しかし「法と秩序」の守り手を自負する保守政党である共和党が、選挙に勝つために道徳を忘れ、ポピュリズムの論理に屈しているという事実はあまりにも衝撃的だ。
- 選挙はトランプが勝った場合にのみ正しく、裁判はトランプが無罪になった場合にのみ公正であると主張しているようなものだ。
- 共和党は、有罪判決を受けた犯罪者が政権を握るという新たな常態に適応しようとしているように見える。
- 最近のトランプ発言の過激化を見ると、共和党は考え直すべき時期に来ている。
- 今重要なのは一部のエリートではなく、すべてのアメリカ人だ。彼らの大半がこの司法制度を茶番だと決めつけるようなら、アメリカの民主主義は相当危うい。
- トランプ氏は高齢かつ前科もないことから、本件で投獄される可能性は低い。
- しかし、有罪判決を受けた犯罪者でも米国大統領になれる、ということ自体が異常と言わざるを得ない。
- 国家元首であろうと一般国民であろうと、立憲国家においてはすべての人は法の前に平等なはずだ。
- しかしトランプは自分を特別扱いし、司法への信頼を積極的に傷つけようとしている。
- トランプ氏は長い間、自分を失脚させようとする陰謀の犠牲者(政治犯)であるかのように描くことで、支持者たちをスキャンダル慣れさせてきた。
- 有罪判決ですらトランプ支持をかえって強める可能性がある。実際にトランプ氏への寄付が増え始めてる。ドイツでそのようなことはありえない。
- 米国民主主義の基盤に対するトランプ氏のあらゆる攻撃に、共和党員は賛同してしまっている。
- 共和党は国会議事堂襲撃におけるトランプの役割を一度もまともに取り上げず、むしろ批判者を党から追い出してしまった。
- 多くの共和党員はトランプを盲目的に信じており、自動的にバイデンを敵とみなしている。アメリカにおける分断と混乱の根深さを物語っている。
- 今、共和党は再び岐路に立たされている。彼らはトランプの攻撃から民主主義を守ることを選択すべきだ。
- バイデンの支持率は最近やや盛り返しているものの、選挙の行方を大きく左右するスイングステートではトランプに対してまだまだ劣勢である。
- バイデンはトランプに反対する(良識ある)共和党員に直接語りかけ、党派を超えて自分に票を投じてもわらなければならない。
- トランプを大統領執務室から遠ざける唯一の方法は、結局司法ではなく投票箱のようだ。
<関連日本語報道例>~大変よくまとめられている。
<日独経済日記>