日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20210921 ドイツ総選挙情勢に変化の兆しなし

下図は現時点での世論調査一覧表です(平均値をとっています)。

オンライン調査のCIVEY(左端)で差が誤差(±2.5%)の範囲内に縮まってきたので、CDU/CSUが第1党となる可能性も少しでてきましたが、基本的にバランスは不変で、ショルツ8対ラシェット2(ジャマイカのみ)のオッズも不変です。

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選挙後の連立の組み合わせに関しては、「Weiter-So(現状維持)」の象徴と見做されてしまっている大連立の継続は(SPD主導に変わるとしても)実現する可能性が低く、

  1. SPD+Green    ⇒ 規制と政府関与で環境対策を強いる
  2. CDU/CSU+FDP ⇒ 自由競争と市場原理で環境対策を進める

の両機軸のせめぎ合いの中で、GreenとFDPがジュニアパ-トナ-として自党の政策をより多く実現するために最終的にどちらを選ぶか、という展開になると思います。

 

【連立シナリオ分布(従来比変更なし)】

 

  • Linkeがそもそも5%条項をクリアできるか(赤々緑の可能性がなくなれば、FDPはかなり強気に出られる)
  • FDPがGreen(支持率低下がまだ続いている)に支持率でどれくらい肉薄できるか(経済重視のジャマイカの正当性を高める)

にも注目しています。

 

当然ながら、CDU/CSUは第2党に着地してもジャマイカ(首相を輩出する)を実現する秘策を練っているようです。

ラシェットはこのジャマイカ組成に失敗した時点でCDU党首辞任となるでしょう。後継党首にはラシェットに党首選で惜敗したメルツが選ばれると思います。ラシェットはNRW州首相職を維持していますので、それに戻れば政治生命までは絶たれません。

CSUのゼーダーは54歳とまだ若いので、「今回ゼーダーだったら選挙に勝てていたのに」という評価を大切にしながら、4年後のチャンスをうかがうことになると思います。

いよいよドイツ総選挙の投開票が9月26日(日)に迫ってきました。ドイツ時間の18時には最初の感触が判明しますので、こちらのブログで速報/解説するつもりです。