https://www.bmwk.de/Redaktion/DE/Publikationen/Wirtschaft/jahreswirtschaftsbericht-2023.html
先ほどドイツ政府(経済省)から政府年次経済報告が発表され、ヘッドラインは以下の通りとなっていました。
2022年 2023年 2024年
実質GDP 1.9% 0.2% 1.8% (今年▲0.4%から上方修正)
名目GDP 7.1% 6.1% 4.5% (高水準)
インフレ 7.9% 6.0% 2.8% (なかなか下がらない)
一人当たり賃金 4.3% 5.2% 4.7% (当面高止まり)
失業率 5.3% 5.4% 5.2% (ほぼ上がらない)
これまで今年は▲0.3%くらいのマイナス成長がコンセンサスとなっていたので、大分明るい感じになってきました(ドイツ連銀でも▲0.5%だった)。
①エネルギー不足(+価格上昇)と②海外経済の落ち込みが、昨秋恐れていたほどひどくない、ということによる上方修正です。
来週発表予定の2022年第4四半期GDP市場予想も前期比フラットまで上方修正されています(つい最近まで▲0.6%あたりだった)。
但し、ドイツ政府も今年のQ1はややマイナスになると覚悟した上で、通年+0.2%の予想となっています。
景気先行指標も昨秋の「恐怖レベル」からずいぶん回復しています。
(黒:実質GDP水準、赤:ZEW期待指数、緑:ifo期待指数、水:PMI)
株価や為替もそれを先回りする形でいち早く反転上昇しています。
●ちなみにドイツの昨年の発電シェアは
再エネ43.9%(うち半分が風力、24%が太陽光、17%がバイオマス)
石炭31.4%、天然ガス13.3%、原子力6.5%(3基廃止を見送った)となっています。
再エネシェア4割強と再エネ先進国ドイツでも、2030年のCO2排出量目標はかなり遠いので、この先再エネ(特に風力、太陽光、場合によっては水素)への集中投資が必要になります。
●男女賃金格差は表面上18%ありますが、ポジションや職種の違いを勘案すると実質的にはほとんど差はない(4年ごとの調査で最終2018年の6%)。
(右図~一般企業の取締役の女性比率はまだ16.2%)