日独経済日記

日独間の架け橋となることを目指しています

20230223 ドイツ流入のウクライナ人、高学歴もドイツ語には苦労

https://www.diw.de/documents/dokumentenarchiv/17/diw_01.c.866382.de/iab-bibfreda-bamf-soep_bericht_langfassung_20230216.pdf

 

ウクライナ人がドイツにどれくらい入ってきているかというお話については先日こちらでご紹介させていただきましたが。。。。

dateno.hatenablog.com

 

その後、ウクライナ人がドイツでどんな生活をしているかについての報告書(一番上のリンク)が出てきましたので、今回はそのエッセンスについてご紹介したいと思います。

 

<ポイント>

  • ドイツ在住のウクライナ人数(黄緑)は戦争後に100万人増加(青線:流入)。

  • 37%がドイツにずっとまたは数年間(多くが「戦争終了まで」)滞在することを希望。
  • 成人の8割が女性(パートナー母国残留が大半)、48%は未成年の子供連れ。
  • 母国平均より教育水準高く、72パーセントが大卒
  • ドイツ語ができる人はわずか4%で、多くが語学習得に苦労
  • 74%が民間の宿泊施設、9%が(公的)共同住宅に居住。
  • 自分の健康状態を良好と評価する人は多いが、生活満足度は高くない。
  • 課題:ドイツ語力のさらなる向上、労働市場への参加促進、育児環境の改善、分離家庭(ウクライナに残してきた家族が心配)の問題への対応。

 

<興味深かったデータ/図表>

ウクライナ脱出の理由は「戦争から逃れるため」なのですが、行き先としてドイツを選んだ理由としては、①「家族や友人がいるから」が60%とダントツで多く、次いで②「ドイツでは人権が尊重されるから」が29%、③「社会福祉制度が充実しているから」22%、④「単なる偶然」18%となっています。

●ドイツに流入しているウクライナ人(黄緑)の多くが女性(成人の8割)と未成年(男女半々/青線はウクライナ本国の人口構成)。

  

 

●既に約2割が就職済。残りもほとんどが就職希望。ドイツとしては人手不足解消に役立つことを強く期待している。